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新品を“割引価格”で勝手に販売!アパレル店員の「あきれた職権乱用」が招いた悲劇

 競い合うということは、多くの人々が日常のさまざまな場面で経験する大切な行動ではないでしょうか。ただ、競うがあまり、良くない手段を講じてしまうこともあるようです。今回は、職場の売り上げ競争で問題行動をとってしまったスタッフのエピソードです。
アパレル

※画像はイメージです(以下同じ)

 中堅のアパレルチェーンで店長を務める中森さん(仮名・37歳)。彼の会社は目下株式上場を目指し、全社一丸となって業績を強化している真っ最中だそうです。

売り上げ第一主義な職場

 日々行われる閉店後の終礼では、今時にしては珍しくその日の売り上げ上位者を発表し、士気を上げているのだとか。売り上げ成績優秀者には報奨金支給や査定にも大きく影響するため、スタッフによる積極的な接客合戦が繰り広げられるといいます。 「私は売り上げ第一主義なことに慣れてしまっていますし、どちらかと言うと成績がよいと満足感に浸れるんです。もともと人と話すことが好きなんで接客も全然苦ではありませんでした。でも、自分が上に立ち、後輩が必死でノルマを達成しようと血眼になっているところを見ると、なかなか厳しいことをさせてるなと感じますね。でも、これだけはわれわれ販売員の使命ですしね……」

昇進がかかった一大キャンペーン

 そんな中、年に1度だけ開催される「全社共通売り上げキャンペーン」が始まります。期間は1か月間で、毎年10月に行われるそうです。 「このキャンペーンは、結構みんなマジで争うんですよ。だって、成績優秀者には臨時報酬も出ますし、なによりもそのがんばりが昇進の査定にも大きく関係してくるんです。ただ、売り上げのカウントはあくまで接客していた担当者がお客さんをレジまで誘導して成立するので、お客さんが自分で商品をレジまで持ってきた時はノーカウントになるんですよ。だからみんないろいろ知恵をしぼって接客を行っているようです」  それゆえ、この期間の売り場に立つスタッフ同士は、表向きは笑顔でも実際は殺伐とした雰囲気が垣間見えると言います。
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一人勝ちのスタッフがいた
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愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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