伝説の“レディース総長”がSNSで人気。令和の若者たちが時代錯誤の「ヤンキー」に惹かれる意外なワケ
こんにちは。伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』3代目編集長をやっていた倉科典仁と申します。ティーンズロードは1989年に創刊され、90年代には社会現象に。現在は廃刊となっておりますが、そんな本誌に10年以上携わっていました。
昨年、私がプロデュースするYouTubeチャンネル「ナックルズTV」などのSNSで1700万回再生を超える“大バズリ”をした「北関東硬派連盟貴族院女族」元2代目総長のかおりさんのお話をさせていただいたのですが、正直、私自身も最初は「物珍しさ」でバズっているのだろうと心のどこかで思っていました。
たしかに、30年以上前と変わらないルックスや自分の過去を決して否定しないところ、すべてを前向きに捉えるポジティブさなど、身近にいる私としては、彼女の魅力は十分すぎるほど感じてしまうところではありますが、さすがに一般の方々からすると“この人誰?”という人物を「物珍しさ」だけで見るとも思えません。
その数字は伸び続け、2023年12月までのSNSの合計は約7000万……!
YouTubeチャンネルの視聴者層を分析してみても令和の時代に10代から60代まで見られているというのが不思議です。40代~50代の視聴者は当時のヤンキー層なのでウケるのは理解できるのですが、驚くことに、若い世代(10代~20代)による視聴回数がダントツで多く、ショート動画を好んで見ているようです。
ヤンキーや暴走族というジャンルに対する「怖いもの見たさ」、なかには「いい歳してまだこんなことしているの?」などの理由もあると思いますが、彼女のことを取り上げたネットニュースや雑誌、テレビ番組などでもPV(ページビュー)や視聴率が上がっているそうなんです。
これにはかおりさん本人も「なんで私みたいなおばさんが今さらバズるの?」と首を傾げていました。とにかく彼女の中の「秘めたる何か」が良くも悪くも読者や視聴者の心を動かしていることは間違いのないところではあります。
近頃は「東京リベンジャーズ」を筆頭に、ヤンキー系コンテンツが若者たちに人気ですよね。暴走族や特攻服、抗争などをリアルタイムで見たことも体験したこともないと思いますが、Z世代にヤンキーの姿はどんなふうに映っているのでしょうか?
もしかすると「絶滅した恐竜」を見るような感覚でしょう。
かおりさんは昨年、自身の壮絶な人生を綴った『「いつ死んでもいい」本気で思ってた…』(大洋図書)を上梓しましたが、暴走族の総長という経験を経た今もなお実在しているわけで、いわば「ヤンキー時代の生き証人」でもあります。
若い頃のケンカや暴走行為は決して肯定できるものではありませんが、彼女の体験は映画やドラマでも漫画でもない、紛れもない「ノンフィクション」なのです。
もちろん、その事実を冷ややかな目で見る方も多いと思います。
ただ、SNSやオンラインのツールが発達したことで、たとえば「友達」といっても関係が希薄になりつつあるなかで、仲間のために命をかけて行動したり、あえてリスクを背負ったり、全てが不器用ではあるものの、“熱いハート”で生きてきた一人の「人間」に対して、若者たちも何か感じるものがあるのかもしれませんね。
伝説のレディース総長、SNSでの合計再生数は今も伸び続けて約7000万に!
映画やドラマではなくノンフィクション
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伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。
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『「いつ死んでもいい」本気で思ってた…』 伝説のレディース雑誌「ティーンズロード」でカリスマ的存在だった平成の女暴走族「貴族院女族」元2代目総長「かおり」の誰にも話さなかった壮絶な人生の実話を30年を経た今、暴露する! |
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