「経常収支黒字国の日本が破綻するなどありえない」現役金融マン・ぐっちーさん
◆マネーな人々 今週の銭格言
【選者】現役金融マン ぐっちーさん
’11年度の貿易収支が4.4兆円と報じられるなど、ネガティブな数字をわざと使い、危機感を煽っている今。しかし、通年(1~12月)の経常収支などを見れば、日本は破綻するリスクはほとんどない。どうなる今年の日本!?
◆最大の経常収支黒字国が破綻するなどあり得ない、むしろ史上最強だ!
長らく当欄を担当していたM嬢が今回を最後に担当から退くことに。ご苦労様でした、とこの場を借りて御礼申し上げます。慣れない経済用語が飛び交い、担当者として大変な思いをされたと思いますが、彼女なしでは生きていけませんでした、いやまじ!
彼女の門出を祝し(?)、改めて、今年の日本経済の見通しをサンデル教授の授業風にお伝えしましょう。題して「日本経済大復活!!」。
A国は世界中の対外債権の90%(約300兆円)を保有する世界最大の債権保有国にして世界最大の貯蓄超過国。共産国以外では世界最大の外貨準備高である1兆ドルを保有し、世界最大の経常収支黒字国である。だが一方でGDPの180%に達する公的債務を抱えている。このA国が倒産する可能性について検討しなさい。ただしA国は10年以上にわたり世界最低の金利水準で、その95%の国債が国内で消化されている。所得収支は平均で月間1兆円以上の黒字。震災の影響で原子力発電が停止し、化石燃料の輸入が飛躍的に増大した最悪の’11年(1~12月を指標とする通年ベースに基づく)でさえ、貿易収支は、年間で1兆円程度の赤字にすぎない。通貨はすべての通貨に対し通貨高の状態で、GDPに占める輸出の比率も20%以上になったことはない。当然ながら総資産は常に総負債を上回っている。
これ、どんなハーバード大学の生徒が解答しても「絶対に倒産しない」という結論しか出ない。世界中でA国を超える国が一つもないので、倒産するならすべての国がA国より先に倒産するはずです。このA国というのが日本なのです。
※【後編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/198789
消費税増税をしないと日本がヤバいは嘘
【選者】現役金融マン ぐっちーさん
ウォール街で20年生きてきたノウハウをブログに執筆し、いち早くサブプライムローン問題に警鐘を鳴らしていたアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://guccipost.jp/)を主宰している
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