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“暴走族”雑誌編集部の日常は「まるで戦場」。鳴り止まない電話の意外な中身とは

 こんにちは。伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』3代目編集長をやっていた倉科典仁と申します。ティーンズロードは1989年に創刊され、90年代には社会現象に。現在は廃刊となっておりますが、そんな本誌に10年以上携わっていました。

毎日が“戦場”の編集部、暴走族から鳴り止まない電話…

倉科典仁

1991年、当時26歳の筆者(倉科)

 ティーンズロードが売れ始めた頃の編集部は、まるで「戦場」だったことを今でも覚えています。毎日、段ボール2箱分の手紙やハガキが届き、全てに目を通していたことは以前にもお伝えしましたが、じつはそれ以上に“大変なこと”がありました。  それは、様々なところから掛かってくる電話の対応です。簡単にお話すると、まずは暴走族からの取材のお願い(オファー)です。 「〇〇県の〇〇連合〇〇っていうんだけど、ウチらのチーム取材してくんない?」  そんなオファーの電話が1日に何件も掛かってきます。当時は携帯やSNSなどはないので、彼ら暴走族の詳細をメモして確実につながる家の電話番号を聞きます。  おそらく1ヶ月に100件近くはオファーが届いていたので、写真を送ってもらい、その中からスゴそうなチームをチョイスして撮影スケジュールを決めていくという流れです。  ただし、すでに何ヶ月も先までスケジュールが詰まっているので、「取材には行くんだけど、雑誌に掲載されるのは半年~1年後ぐらいになるよ」と言って、納得してもらったうえで現地に飛んでおりました。ひと月に3回~4回ぐらい飛行機に乗って地方に行くということもしばしばです。

クレームや警察からの問い合せも

ヤンキー

編集部員やスタッフたちでヤンキーコスプレをして撮影した写真

 そんなオファーの電話はいいのですが、大変だったのはクレームです。 「この前ティーンズロードに載った〇〇だけど、チーム名の漢字が間違ってんだけど、どーしてくれんだよ!」 「〇〇チームより扱いが小さいのはどーいうことだよ!」 「〇〇チーム撮影したらしいけど、絶対載せんなよー、もしも載せたら編集部まで襲撃に行くからよ!」  きちんと対応してあげると結局は納得してくれるのですが、当時どの編集部員も電話を取った瞬間にクレームだとわかると、苦い顔をしていたのを覚えています。  また、雑誌で扱っているのが暴走族だけに、こんな電話も……。 「警視庁の〇〇と申しますが、ティーンズロードの◯月号に載った〇〇チームの〇〇という子に関して調べたいので、編集部にお邪魔して本を見せていただきたいのですが」  何らかの事件を起こした暴走族メンバーを調査するために、撮影した日時などの詳細を聞きたいということでしょう。
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暴走族のたまり場だった編集部
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伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。

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