仕事

“暴走族”雑誌編集部の日常は「まるで戦場」。鳴り止まない電話の意外な中身とは

暴走族のたまり場だったティーンズロード編集部

レディースチーム

レディースチームが会社まで遊びに来た際のスナップ

 そんな毎日が戦争のような編集部で最もスゴかったのが、暴走族たちが編集部に遊びに来ることです。  多いときには週3~4チーム、少ないときでも1〜2チームが「編集部を見てみたい」と言って来るわけです。  編集部としては、むげに断ることもできません。編集作業の合間を縫って手の空いている編集部員が対応するという感じでした。  ただ、ときには同じ日に同じ地元の“敵対チーム”同士が遊びに来たいという連絡が来たりもするので、時間をズラしたり、別の日にリスケしてもらったり、さりげなく気を遣うこともありました……。

リアルに“読者参加型”メディアだった

貴族院女族・かおり

YouTubeチャンネル「ナックルズTV」で大バズリしている貴族院女族・かおりさん(写真左・当時18歳)もたびたび編集部に遊びに来ていた

 いま振り返ってみれば、毎日がバタバタではありましたが、彼らが編集部に遊びに来てくれてコミュニケーションを取ることができたおかげで、情報収集にもなりましたし、リアルな企画が誕生したと言っても過言ではありません。
結婚式

レディース総長の結婚式に参列することも

 とにかく色んな意味で「活気がある編集部」であったことは間違いないでしょう。  私が編集長を務めていた期間には、編集部をスタジオ代わりにティーンズロードビデオの収録やちょっとしたオフショット企画などもやりました。  汚い編集部だったんですが、読者たちにとってはむしろリアルを感じられることから人気でしたね。今の時代では考えられないことですが、編集作業をしているその横で暴走族たちがお菓子を食べながらバックナンバーを読んでいる姿は、まさに「昭和的」編集部かもしれません。  もしかすると令和の“読者参加型”メディアにとっても大切なのは、“どのくらい取材対象者と近い存在になれるか?”なのではないかと思ってしまいます。 <文/倉科典仁(大洋図書)>
伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。
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