「タイパが悪すぎる」上司とケンカして半年で辞めた20代社員。本当に非効率で無駄な仕事だったのか?――大反響・上司に嫌気がさした人たち
過去5万本の記事より反響の大きかった傑作選。今回は上司に嫌気がさし辞めちゃった人たちに注目する。果たしてどちらが悪いのだろうか……。(初公開2023年9月15日 記事は取材時の状況)
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せっかく入社したにもかかわらず、すぐに辞めてしまう新入社員が後を絶たない。Z世代を中心に「タイムパフォーマンス」(以降、タイパ)という言葉がよく使われるようになった。かけた時間に対してどのくらいの効果があり、価値があったのかを指すものだ。
大手ハウスメーカーに勤務する田中とおるさん(仮名・20代)は、賃貸住宅の建築営業をしている。そこで出会った同期Aが「タイパが悪い」という理由で、入社半年で退職した。
「努力次第でインセンティブとしてわかりやすく給与に反映されることに魅力を感じ、トップセールスを夢見て入社しました。ただ、新入社員のなかには、理想と現実のギャップで退職していく人も多くいました」
Aは誰とでも打ち解けられるタイプで、田中さんは嫉妬も含めて「負けたくはない」と思っていた。しかし、入社後の研修が進むにつれて、Aへの印象は大きく変化したそうだ。
「1ヵ月が経った頃、Aはキレやすくプライドが高すぎて、まわりとうまくいかないということがわかってきました。たとえば、Aが確保している席とは知らずに他の人が着席しただけで怒鳴ったり、同期でスポーツを楽しんでいたときにミスをした仲間に暴力を振るったり……。どうやら、自分の理想通りにいかないと納得しない性格だったようです」
嫌な予感がありつつも3ヵ月の研修期間が終わり、半年が経とうかという頃に同期から田中さんに連絡があった。その内容は「Aが会社を辞めた」というものだった。
「辞めた理由が『飛び込み営業や新規顧客を開拓するという業務が、非効率で無駄だから』でした。そのことを当時の上司に伝え、暴れまわった挙句に辞めたと聞きました」
新入社員などの若者たちは物事に対して「タイパがいい/悪い」という基準で判断しがちだが、さまざまな世代が働く会社組織においては悩ましい問題でもある……。
今回は、タイパに関する上司の考え方に納得できず、退職してしまった新入社員のエピソードを紹介する。
【ケース1】有名大学出身の同期にライバル心を燃やしていたが…
「非効率で無駄な業務だ!」と上司とけんか
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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