「部屋に置くところがない!」アパートの廊下に私物を置く迷惑住民。娘に説得をお願いした結果…
顧客が理不尽なクレームなどの言動でサービスの提供側を困らせるカスタマーハラスメント(カスハラ)は、飲食店や宿泊施設をはじめ幅広い業種で問題視されている。国を挙げての対策もはじまったが、無自覚な人も多く、各現場では日々対応に追われているようだ。
「契約のときに好印象だった入居者が、DVや幼児虐待をしているかもしれないとの情報提供が入ることもあります。また、通過がてらにほかの入居者の玄関ドアを蹴ったり、郵便物を盗んだり、入居者同士がトラブルになるケースも少なくありません」
入居者による迷惑行為について話せばキリがないと言い、「最近は、自身の時間を割いてまで掃除や見回りはしたくないけれど、不動産会社にもお金をかけたくないという大家さんも増えていて、細やかな管理が行き届いていない賃貸物件も結構あります」と続ける。
「今回お話するケースのように、BBQグッズやキャンプ用品などの私物を、自分が住んでいるアパートやマンションの玄関前や通路などに置いてしまう入居者も結構います。こういったケースでは悪気がない人も多く、カスハラに発展することも少なくありません」
ある日、木村さんが管理するアパートの入居者から「向かいの住人S田さん宅(40代後半母と20代娘が住む物件)の私物が、どんどんとこちらに迫ってくる」と相談の電話が入り現地へ向かったところ、驚くような無理難題を要求されたという。
「向かいの住人からのクレームどおり、S田さん宅の周辺にはBBQセットやキャンプグッズが大量に置かれており、傘は階段の笠木部分に6本ぐらい掛けてありました。S田さん宅の玄関周辺は少し奥まっていてスペースがあったため、そこを活用しようとしたようです」
ただ、その物件では共有スペースに私物などを置くことは禁止していて、契約書にも記載済。向かいの住人は「最初はひとつだったが、半年もしないうちに大量に増えた」とも話していたため、木村さんは早急な対応が必要だと判断し、そのまま向かいのS田さん宅を尋ねた。
「出てきたのは、母のS田A美さん。契約時に好印象だったので、記憶に残っていました。S田さん宅の私物は一部が階段スペースにもはみ出ている状況だったこともあり、注意をすれば簡単に聞き入れてくれると思っていたのです」
不動産会社に勤める木村北斗さん(仮名・30代)も、「入居者のなかにも迷惑な人は結構います。ほかの入居者からのクレームを受け、改善してもらおうと注意を促すと、カスハラ言動が止まらずモンスター化してしまう人も少なくありません」と、頭を抱えるひとり。
入居者による迷惑行為
共有スペースに私物を置く
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ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5
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