更新日:2024年09月30日 18:49
お金

「勝ち組」だけが知っている、手堅いのに高利回りが期待できる投資手法

 こんにちは。中小企業の経営者や富裕層向けの投資ビルを売買仲介する不動産会社アグノストリを経営している青木龍です。
青木龍

株式会社Agnostri(アグノストリ)代表取締役社長の青木龍

 物価上昇や円安が進むなか、お金を銀行に預けているだけではどんどん価値が目減りしていく。そんななかで、“ビル保有”こそ最強の資産防衛策だと思っています。  連載の最後となりますが、「本業とは別の手堅い収益を得て、企業が今後も繁栄していく方法論とマインド」をテーマに、不動産の垣根を越えた企業経営のあり方について話していきたいと思います。

既存事業に固執していては激動の時代についていけない

会議室に立つビジネスマンの後姿

※写真はイメージです。以下同

 激動の時代、企業が継続していくためには新規事業にも取り組み、イノベーションを起こすことが重要となります。しかし、“既存事業だけでやっていくのが美学”という考え方に固執している人がいかに多いか。これでは時代についていけず、むしろ成長を阻害する原因にもなりかねません。  法人は株主に対する還元はもとより、利益や純資産の増加が大事になるわけで、その結果として株主価値を向上させることにつながります。  そう考えたとき、既存事業では株主に対してじゅうぶんに還元できなかったぶん、不動産事業に力を入れることで、株主還元の強化に努める企業も少なくありません。  例えば直近ですと、サッポロホールディングスの事例が顕著になっています。  同社の主力事業はビールの製造・販売ですが、少子高齢化によって若者が減少し、ビール市場は年々縮小傾向にあります。こうした状況下でも、サッポロホールディングスの株価は上場来高値を記録するなど、非常に堅調な推移を見せています。  これはなぜかと言うと、シンガポールの投資ファンドの資本を入れ、不動産事業を拡大していく方向性を検討しているからです。本業である酒販事業を継続していくために、“第2の収益源をつくる”という観点で不動産事業の強化を見据えているのがわかりやすい事例となります。

不動産投資のメリットは「安定収入の確立」と「返済実績による信用」

 そんななか、世の中に存在する経営者の約8割が創業者ではなく、「ここぞ」という場面で勝負できない、攻められない人たちが多い印象を持っています。 「先代が残した資産を、投機的な側面を持つ不動産へ移してしまっていいのか……」  そう疑問に思う2代目、3代目の経営者は、どうしても新しい事業に踏み込んでいくのを躊躇してしまうのです。さらに、製造業であれば工場の新設といった設備投資に踏み切れないなど、本業であっても攻めの姿勢を貫くことができないものなんです。  こうした現状を踏まえて、不動産がもたらすメリットや効果について話すと、第2の収益源をつくること以外にも「返済原資のある借り入れの実績をつくれる」ことが言えます。  入居しているテナント企業がいる状態で不動産を購入すれば、少なくとも賃料は入ってくるわけで、しっかりと返済できる事業計画が整っているものであれば、借金を怖がる必要はないということです。  逆に返済原資のある借り入れ経験がないと、本業が傾いた際に金融機関からお金を借りづらくなってしまいます。
  ひとつの例として有名なのが、1950年創業の老舗メーカーであるメリーチョコレートです。同社は2009年にロッテホールディングスが全株式を取得して買収し、現在はロッテグループの傘下になっていますが、歴史のある会社が事業売却するまでに追い込まれたのは、無借金経営を貫いていたからです。  無借金で会社を経営するのは安定的で、健全な状態だと言えますが、いざ本業の業績が悪化したときに、今まで借入実績がないために、お金を貸してもらえない。つまり本業が好調なときこそ、いかに“借り入れ慣れ”をしておくかが大事になるんです。
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「何もしないで資産をとっておく」のは大きなリスク
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株式会社Agnostri(アグノストリ)代表取締役社長。1989年、東京都出身。小学校から高校1年まで野球を続け、厳しい監督に鍛え上げられる。22歳で事業系不動産に特化した不動産売買の会社に就職。中小企業の経営者をターゲットに、ビル売買の営業開拓を実施。その後大阪支店・名古屋支店の立ち上げに携わる。最終的に東京で課長職に就任。会社員時代は1人で50億円を販売しトップセールスに。2018年に独立し、東京都千代田区にアグノストリを設立。会社設立後、年間100億円ほどの売買を締結。著書に『2%の人しか知らない、3億円儲かるビル投資術』(ぱる出版)、『御社の新しい収益基盤を構築する 区分オフィスビル投資術』(ビジネス教育出版社)がある。X(旧Twitter):@agnostri_aoki

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