津波警報と大津波警報の決定的な違い
―[[防災の常識]は非常識だらけ!!]―
東日本大震災による津波で壊滅的な被害を受けた東北地方一帯。被災地のひとつである宮城県出身のジャーナリストが目の当たりにしたのは、これまでの防災常識が覆された惨状と生々しい被災者たちの声だった
避難所にも津波が押し寄せた
「正直いって、舐めていた」
今回の津波に対し、すべての住民が抱いた感想だった。2mほどの津波であれば沿岸部が浸水する程度だが、それ以上の高さの津波は、地元住民ですら想定外だった。
「最初の津波のあと、増水した川や海に写メを撮りにいった若い連中は、みんな第2波で流されてしまった……」(住民)
地元建設会社の社長によると、津波警報の聞き分け方が周知されていなかったことが、被害の拡大に繋がったという。津波警報には2種類ある。ひとつは「津波警報」。もうひとつが「大津波警報」だ。津波警報は最大で2m。それに対して大津波警報は3m以上で上限がない。この違いをほとんどの住民たちが知らなかった。かつて東北一帯を襲った’60年のチリ地震津波から50年間、目立った被害はほとんどなかった。’78年の宮城県沖地震の際は、仙台港で30cm。
そのため恐怖の記憶を薄めてしまっていたのだ。
避難所となった小学校の美術室(校舎1階)の壁には押し寄せた津波の痕がくっきりと残る
津波に呑まれた街には生活していた頃の名残が数多く残されていた。なかには結婚記念の寄せ書きがされたコケシもあった
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