「エアコンの室外機」盗難被害が増加
「今日、早朝に泥棒騒ぎがあった……」
Facebookにそう書き込んだのは記者の友人である葛西俊雄さん(仮名・38歳)。
「びっくりしました。朝起きて玄関を出たら、あるべきところになにかないなあ、いつもの景色と違うなぁと思ったんです」
いったい何がなかったのか……。なんと「エアコンの室外機」だった。
「室外機は、実家に三台ありまして、そのうち通りに面したやつをやられました。深夜3時位の犯行らしいです。警察に届けたら”またか”という感じでした。どうも、アパートや店舗の通りに面したものや、通りから目にしたとき簡単に室外機の設置場所まで接近できそうな家を下調べして、地域で集中的にゴッソリかっさらう犯行が増えているそうです……」
葛西さんのFacebookには「昨年、うちもやられました」というコメントが寄せられるなど、室外機盗難被害の増加を物語っている。
もともと公共施設などの大型の室外機の盗難被害が多かったのだが、葛西さんのように民家もある地域を集中的に狙い、”狩場”を移動していく形で増えているという。
エアコン修理業者は語る。
「最近、”エアコンをつけても冷えない”という修理依頼で駆けつけると室外機がないなんてケース、確かに増えてます。そもそも室外機はホースと電気コードだけで中のエアコン本体と繋がっていて、あとは土台にネジ止めしている程度なので持って行こうと思えば簡単に持っていけるんです。室外機盗難は金属相場が急騰し始めた時期に増え始めて、最近ではそれを受けてエアコン設置時に盗難防止用のアンカーナットを使うように薦めています」
また、SPA!でも何度か報じている犯罪の巣窟「ヤード」(周囲が鉄壁等で囲まれた、自動車等の解体、コンテナ詰め等の作業に使用する施設)が関わっているという。
「普通は盗品の恐れもあるのでエアコンと室外機のセットで買い取りますが、室外機だけで買い取る業者もいないわけではない。なにしろ、室外機は銅やアルミ、その他希少な金属も使われているので、ヤードに持ち込み解体してコンテナに詰めて輸出するんです。買取価格はキロ100~150円程度なんで、家庭用のもので3000~5000円、業務用の大きなもので1万円くらいになります。地域ごとごっそり狙うため大量に”仕入れ”て売るので儲けになるし、作業服を着ていれば修理だと思われるのでリスクも少ないので狙いやすいんでしょう」(リサイクル業者)
だんだん暖かくなってきた今日このごろ。エアコンをつけたら全然冷えない!と思ってようやく気がつく前に、あなたの家の室外機も盗難対策してみては? <取材・文・撮影/日刊SPA!取材班>
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