スバリスト垂涎のXVハイブリッドの実力は?
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
アベノミクスによる円安の恩恵を受けて爆発的に利益を伸ばしている自動車メーカー各社。なかでもスバルとマツダは、国内生産比率がともに7~8割と高いだけにウハウハだ。そんなスバルが待望のハイブリッドカー(HV)を発売する。そのプロトタイプにMJブロンディと部下のマリオ高野が試乗してきました!
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆トヨタのお下がりなんかじゃない。スバル初のHVに乗ってみた!
MJ「マリオよ。お前が愛するスバルが絶好調だな」
マリオ「はっ。主力の北米だけでなく、日本国内でも好調です。昨年12月はインプレッサが車名別販売ランキングで5位に入るなど、前人未到の快挙続きであります!」
MJ「軽自動車の開発から撤退し、レガシィやインプレッサなど、得意のミドルクラス車の開発に専念した経営判断は、大当たりだったということだな」
マリオ「スバルの軽は、我々マニア受けは最高でしたので、撤退は断腸の思いでありましたが……」
MJ「どうせ新車など買えっこないド下流のオマエの断腸の思いなど、一銭にもならん。スバルはオマエを切ったことで再生したのだ!」
マリオ「よかったであります!」
MJ「インプレッサは、SUV仕立てのXVの投入で絶好調らしいな」
マリオ「はっ。スバル車はデザインがダサいことで有名でありますが、XVは世界中でデザインが好評でして、しかもオレンジとデザートカーキのボディカラーも人気となっております! 今回はそのXVにハイブリッドモデルが追加されるわけで、鬼に金棒と申せましょう」
MJ「で、新たに投入されるハイブリッドシステムの詳細は?」
マリオ「スバルの筆頭株主はトヨタ様でありますから、プリウスのシステムが移植されるという誤解があるようですが、まったくのスバルオリジナルのハイブリッドであります。スバリストとして喜ばしい限りです!」
MJ「私もオリジナルのハイブリッドシステムと聞いて驚いたが、厳密にはホンダの簡易型ハイブリッド+α、という程度のものではないか」
マリオ「2リッターガソリンエンジンに小出力のモーターを組み合わせておりますので、レクサスRXハイブリッドのようなバカッ速SUVではないですし、プリウスのような超低燃費でもないですが、経営的には、ハイブリッドであることが重要であると思うであります」
MJ「日本の一般大衆は、ハイブリッドならなんでも食いつくダボハゼだからな」
マリオ「日産セレナの超簡易型ハイブリッドシステムには圧勝しておりますし、ホンダのフィットハイブリッドなどよりも、システム的に少し上であります。加えて、ステアリングギア比を速くして、ハンドリングのクイック感を高めるなど、マニアックな改良もありますので、大衆受けとマニア受けを両立させた、すばらしいハイブリッドモデルであると確信しております!」
MJ「スバル車はトヨタ車と違ってスポーティで走りが楽しいと申すのであろう。が、私はトヨタ・アクアのオーナーとして断言するが、アクアのハンドリングは、このXVハイブリッドよりクイックであり、動きも軽快かつスポーティ。走りの楽しさは互角かそれ以上だぞ」
マリオ「はっ。アクアは軽いでありますから」
※【後編&写真】はコチラ⇒「XVハイブリッドは個人的に最も欲しいスバル車」スバリスト・マリオ高野 https://nikkan-spa.jp/452793
― トヨタのお下がりなんかじゃない。スバル初のHVに乗ってみた!【1】 ―1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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