更新日:2013年08月15日 09:09
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駆除業者が語る「ネズミ増加の原因は雑なゴミ出し」

昨今、駅周辺の再開発など明るい話題の多い渋谷だが、そんな“表の顔”とは裏腹に、ネズミが巨大化&異常繁殖しているという。渋谷のネズミ繁殖の惨状を探るべく、取材班は都内のネズミ駆除専門業者「東京マウス」の福井義広氏の協力の下、捕獲調査を実施した。 ⇒【前回】「密着! 渋谷の巨大ネズミ、捕獲最前線リポート」はコチラ https://nikkan-spa.jp/478174 ◆飲食店の雑なゴミ捨てがネズミ増殖の大きな原因
ゴミの山

深夜1時すぎのセンター街で収集場所に無造作に捨てられたゴミの山。生ゴミの入ったゴミ袋は激しく食い破られ、ネズミが群がっていた

 路上で調査を続けると、若い女性がネズミを見て「キャー」と悲鳴を上げるシーンを目撃。よくよく耳を澄ませば、あたりから「チューチュー」と鳴き声が聞こえ、飲食店のゴミ袋が積まれている場所では、ガサガサと“動く”ゴミ袋も多々あった。おもむろに近づけば、勢いよく何匹ものネズミが飛び出してくる。路上で休憩中のある飲食店店員はこう話した。 「飲食店のなかには、食べ残しや野菜のカスが見えるように雑なゴミ出しをする店も多い。だから、いつもネズミが群がっているゴミ置き場は大体同じところなんですよ。正直、ちゃんとやっている店は迷惑しています」  福井氏も、「ネズミが増える一番大きな原因は、やはりゴミの出し方なんです」と指摘する。では渋谷区ではゴミ出しはどのようなルールになっているのか。渋谷区清掃事務所に問い合わせた。 「センター街のなかでも飲食店など大量のゴミが出る店は、区のゴミ収集のほかに、民間の収集業者と契約していることが多いです。その際、ゴミの出し方や量などのルールは、店とゴミ収集業者との契約によるところが大きい。センター街でも店によってはゴミに囲いを設けたり、カラス防止ネットを張るなど対策をしていると思うのですが、結局のところ各々のモラル次第なんです。ポリバケツに関しても、容器の清掃に手間がかかるので使わない店が多い」  加えて、福井氏によると「渋谷は24時間営業の飲食店も多いので、駆除作業ができない店舗が多いことも大きい」という。 「駆除の依頼を受けても、作業は最低でも一晩はかかるので施工ができない。だから、事実上ネズミの増殖を放置している状況になっている。扉を開けたまま営業している店などは、ネズミに侵入されても仕方ない。ネズミは生後2か月から7~8匹の子を産めるので、計算上では2匹いたら1年後には約9800匹まで繁殖します。もはや、渋谷にいるネズミの総数なんて天文学的な数字ですよ」  ネズミを大幅に減らすためには街全体での一斉駆除を行う必要があるが、自治体や地元商工会もそのような計画は当面ないという。今後も、渋谷のネズミは増え続けていくだろう。 ― 渋谷で巨大ネズミが異常繁殖中【4】 ―
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