「ミリオンセラー曲の66.8%が1990年代に発売されている」マキタスポーツ
ミュージシャン、芸人、俳優、コラムニストなど多彩な顔を持つマキタスポーツが、単行本『すべてのJ-POPはパクリである~現代ポップス論考』(扶桑社刊)を1月30日に発売した。これまでマキタスポーツは本名の槙田雄司名義で『一億総ツッコミ時代』(星海社)、『アナーキー・イン・ザ・子供かわいい』(アスペクト)と2冊の本を出してきたが、今回の本はマキタスポーツ名義での初の単著となる。
その内容は、彼がこれまで10年以上にわたり、ミュージシャンとしてバンド「マキタ学級」を率いてCDをリリースし、芸人として音楽ネタを作り続けてきた集大成。芸人のネタ本といったテイストではなく、ヒット曲の楽曲構成や頻出フレーズなどを徹底分析した「ヒット曲の法則」などを紹介した音楽評論本、さらにはヒットというものがどのように生まれるのかを論考した現代社会批評の書ともなっている。その一例として、「なぜCDが売れなくなったのか?」を論考している章の一部をご紹介しよう。
1990年代にミリオンセラー曲が連発したのはよく知られている話だが、1998年をピークにCD生産枚数もCDの売り上げが低下傾向に向かう。2012年にはCDの生産枚数は14年ぶりに前年を上回ったが、音楽業界が長期経絡傾向にある見方は変わらないそうだ。
だが、マキタは「あれだけCDが売れた1990年代が、ある種異常だった」と具体的な数字をあげながら論考している。オリコンの集計が始まった1968年以降のデータをまとめると、2013年12月末現在で売り上げ100万枚以上を達成した曲は259曲存在している。だが、このうち173曲(66.8%)が1990年代に発売されているという。
1960年代は2年分のデータしかないので参考の数字になるが、7曲で2.7%、1970年代は24曲で9.3%、1980年代は12曲で4.6%、2000年代は26曲で10%、そしてまだ4年分のデータしかないが2010年代(2010~2013年)はすでに17曲で6.6%と、ある意味健闘している。
⇒【グラフ】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=578116
では、なぜこれほど1990年代にCDが売れたのか? 本書でマキタはCDというハードとソフトのメディアのあり方に言及しながら分析を繰り広げている。
その他にも、「J-POPは工業製品だ」「アーティストには4つの癖がある」など、アーティストの非常に「柔らかい部分」に触れかねない“問題の書”であるが、根底には「この時代におけるオリジナリティーとは何か」を、実演家でもあるマキタが考え尽くした集大成の本となっているのだ。
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●2月8日(土)に池袋リブロにてサイン会!
日時:2月8日(土) 午後2時~
会場:西武池袋本店書籍館2階リブロ特設会場
※詳細は⇒http://www.libro.jp/news/archive/003893.php
●2月15日にお台場・東京カルチャーカルチャーにて単行本発売イベント!
日時:2月15日(土) 開演:18時30分~
会場:東京カルチャーカルチャー
料金:前売チャージ券2,000円(要1オーダー制・アルコール500円~、ソフトドリンク400円~など)・当日券500円増
※詳細は⇒ http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_140128204486_1.htm
<文/織田曜一郎(本誌)>
『すべてのJ-POPはパクリである~現代ポップス論考』 「ヒット曲の法則」をマキタスポーツ大いに語る |
『すべてのJ-POPはパクリである 現代ポップス論考』 「ヒット曲にはカノン進行が多い」を世に知らしめた名著が文庫化! |
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