元ロッテ渡辺、元オリ梶本が米独立リーグで見つけたものとは?
―[米独立リーグ]―
昨季限りでロッテを退団し、マイナー契約でレッドソックスのキャンプに参加していた渡辺俊介投手(37)が現在、米独立リーグであるアトランティック・リーグのランカスター・バーンストーマーズでプレーしている。同チームには、元ヤクルトで昨季までオリックスでプレーし昨年10月に戦力外通告を受けた梶本勇介内野手(30)、阪神、日本ハム、オリックスでプレーした坪井智哉外野手(40)も所属している。
日本球界を去り、米国の独立リーグで彼らは何を見つけたのだろうか。
◆「こちらにきて思うのは、野球の立ち位置が高いということ」
「メジャーを経験している選手もたくさんいますし、いろんな選手、バラエティに富んでいて、見ていても対戦していても、チームメイトの話を聞いていてもそうですけど、面白いですし、やっぱり違う刺激はたくさん受けます」
渡辺はそう話す。米国の数ある独立リーグの中でもアトランティック・リーグはトップレベル。渡辺らが所属するランカスターのチームメイトには、昨季までメジャーリーグのタイガース、メッツ、ブルージェイズなどの傘下だったトリプルAでプレーしていた選手が数多く所属している。そうした選手らとともに行動していると気づくのは、米国でプロの野球選手がいかにリスペクトされているかということだった。
「(それは)街を歩いていても感じます。野球の立ち位置というのが結構高いというか、リスペクトのされ方が高いところにありますね。スポーツというものがきちんと認められているというか。たかが野球選手じゃないですよね、こっちだと」
4月に渡米し初めて米国のチームに合流した梶本も、実際に独立リーグのチームに入ってそれまでのイメージが変わったという。
「アトランティック・リーグはレベルが高いので、やはり待遇もいい。月給制なのですが毎月給料もきちんと出ますし、ミールマネー(食事代)も出ます。チームで出される食事も思ったよりずっと良いです。この前はゲーム後に3種類のチキンが出ましたからね」
そう話す梶本は、5月7日現在で打率4割5厘をマークし、リーグの首位打者争いで2位につけるほどの奮闘ぶりだ。
「このリーグには、日本の一軍で投げていてもおかしくないレベルの投手がたくさんいます。それぞれのチームに必ず1人くらいは、実際に日本でプレーしていた外国人選手もいますしね。日本の投手との違いは動く球を多く投げることですけれど、それは実際に何度も打席に立てば慣れてくると思います。あとは投手の投げるテンポが速いので差し込まれるんです。今のところ何とか打っていますけれど」
この独立リーグでアピールしメジャー球団の傘下に入るというのは、梶本にとっても今の大きな目標だ。実際に結果を出し、開幕から1か月も経たずにアトランティック・リーグでも知られる存在となった今は、その目標も決して手が届かない夢ではないだろう。
守備に関しては、グラウンドの土が日本より硬く、芝と土にバウンドした打球は速度が変わるため適応が必要だという。遅い打球だったのが、バウンドした場所によって途中からスピードを上げることもあるという。日本の内野手が米国で苦労するのは、そうしたグラウンドの状態の違いも大きいのだろう。梶本はそうした違いを実感しながら、米国の野球にくらいついていっている。
さらに、彼らが苦労したのは何だったのか?
※【後編】「日本を離れた渡辺と梶本が、米国独立リーグで手にした夢と誇り」に続く https://nikkan-spa.jp/642182
<取材・文・撮影/水次祥子>
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