更新日:2014年06月24日 09:40
ライフ

日本第3戦の地、クイアバのスタジアムにひと足先に行ってきた

 ナタウでの観戦を終え、第3戦の地クイアバにひと足先に入った記者。内陸部に位置するクイアバは過去2戦を戦ったレシフェ、ナタウの北東部の2都市より、気温が低いかと踏んでいたが、30度をゆうに超える気温。湿度こそ低く、カラッとした印象はあるが、それでも直射日光のあたる日なたにいると、滝のように汗が噴き出してくる。  安宿に到着したが、体育会の部室のような大部屋に、二段ベッドが5つ。男だらけの10人部屋に案内され、いささか閉口した記者。コロンビア人とも同部屋であった。クイアバは大湿原パンタナールなどの一大観光地の玄関口ではあるが、W杯を迎えるには圧倒的な宿不足で値段が高騰。この時期は、このレベルのバックパッカー宿でも1泊400R$(約18,000円)してしまうのだ。  荷物を置いてさっそく、第3戦の舞台「アレーナ・パンタナウ」を目指した記者。宿のお姉さんに聞けば「歩いて20分くらいよ」とのこと。この日は土曜日。かつ夜から、ナイジェリア×ボスニア・ヘルツェゴビナの試合がある理由で、街は「休日モード」。道に出ても人っ子ひとり歩いていない。一抹の不安を覚えたが、道順を書き込んでもらった地図どおりに歩いていく。アップダウンのある道を汗だくになって歩いていくこと20分。なんの変哲もない、どちらかと言えば質素な住宅街をいくつか抜けると、スタジアムらしき建物が見えてきた。 ◆道路もスタジアム周辺もキレイ!  前回、ナタウのスタジアムへの道は非常に交通量も多く、かつ足元が悪く難儀したが、ここは道路も整備され(真新しいアスファルト!)道幅も広く歩きやすい。クイアバの街自体がコンパクトで、高層建築も少なく、見通しが非常に良い。市の中心部からバスに乗っても20分ほどでスタジアムについてしまうという。  見えてきたスタジアムはとてもコンパクト。リオのマラカナン、サルバドールのフォンチノヴァ、レシフェのアレーナ・ペルナンブッコ、ナタウのエスタジオ・ダス・ドゥナスと4つを見てきたが、そのどれよりも小さく、圧迫感がない。極端に言えば、日産スタジアムを見たあとに、三ツ沢競技場を訪れた印象だ。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=666685  南ゲート周辺にはドリンクコーナーが開店の準備をしていた。そのなかに手書きの文字で、日本語の「クローク」と書かれた店を発見。地元の人が臨時の手荷物預かり所をやっていた。いままでのスタジアム周辺では発見できなかったもの。宿が取れず、0泊で観戦する人も多いと聞く。これは嬉しいサービスだ。  スタジアムは運動公園内にあるようで、隣には体育館があった。緑豊かな運動公園で、草木は剪定され、整備されている印象を受ける。  周回を歩いていると目についたのはオープンエアの居酒屋やレストラン。記者が確認しただけでも5軒もあった。生ビールが飲める居酒屋や、ピザ屋、軽食がつまめるレストランなど、試合前の「燃料補給」には最適だ。しかもどこも大型スクリーンでW杯のテレビ中継を放映しており、直前の試合も追うことができる。  第3戦の試合開始は現地時間で16時(内陸部にあるため、サンパウロなどの標準時より-1時間)。まだ日差しの強い時間だ。冷たい生ビールを飲んで、すぐに競技場に入れる環境は最高といっていい。  ただ、日差しのあるうちの試合は選手にはいささか酷だろうか。湿度は低いとはいえ、やはり蒸し暑く直射日光は強烈だ。しかも雨季だった過去2試合の都市とは違い、こちらは乾期で雨が降る可能性は低い。太陽が沈んだ19時開始のゲームを2試合戦ってきた選手にとっては、最大の敵は黄色いユニフォームのコロンビアではなく「太陽」になるのではないだろうか。 <取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)>
おすすめ記事