「最近のスバル車はあまりにも北米市場にすり寄ってる」は本当か?
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
ドラマで描かれるように、編集者にとって担当作家は神様。一読者だった自分が憧れの人の担当になれるなんて! しかし編集者である以上、時には心を鬼にしなければ……。気まぐれな神様を飽きさせずに、新機軸を打ち出そうと常に試行錯誤しております。で、そろそろ神様の上から目線にも飽きてきたと思うので、こんな感じはどうでしょうか?(担当K)
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MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆鬼編集者の命令で北米市場重視のスバル車批判を試みました
当欄の担当Kは鬼だ。「次はスバルの悪口でいきましょう」などと言う。
理由を聞くと、スバルの悪口を書くとウケるから、だそうだ。
「昨年、レヴォーグとボルボを対決させて、レヴォーグが惨敗した記事をやったじゃないですか。あの記事(nikkan-spa.jp/664650)がスバリスト(熱狂的スバルファン)が怒り狂って大炎上。アクセス数がすごかったんです」だと。つまり私に炎上ビジネスの片棒を担げと言うのだ。
私はスバルに何の恨みもない。逆に日本人として大恩を感じている。なにせ、このところのスバルの北米での稼ぎっぷりは素晴らしい。アメリカ向けのスバル車は作るそばから売れて生産が間に合わない。今や全体の約6割が北米向けだ。おかげで昨期の利益は3265億円と前年比73%増。大いに国威を発揚しつつ、お国に税金を1000億円くらい?納めてくださっている。これで悪口など書けるはずがなかろう。
が、担当の命令は絶対である。私にとって担当Kは、スバルにとっての北米市場。要望はなんでも聞く。それで我が家はオマンマを食っているのである。
スバルの悪口と言えば、「最近のスバル車はあまりにも北米市場にすり寄ってる!」でキマリだ。
たとえばレガシィ。誕生以来スバルを代表するモデルだが、昨年発表された新型レガシィは完全に北米向けになり、全幅がなんと1840㎜! キャデラックと同じになった。こんなバカデカいクルマに日本人がバカスカ乗れるはずがない。とんでもない日本市場軽視である。当然のごとくレガシィの日本での販売台数は激減。全盛期の10分の1くらいになった。しかし、北米ではちょうどいいのでバカスカ売れている。スバルは日本を切ってアメリカを取ったのだ!
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