小池都知事の次なる一手は(3)――多摩・島嶼部の首長との意見交換の意味とは

東京都町村会で挨拶する小池知事(平成28年8月25日)

二人の標的を攻めにくくなった小池都知事陣営


 都議会のドンといわれる内田茂氏(77歳)は、2月5日に行われた千代田区長選の大敗を受け、7月2日投開票の東京都議会選挙(都議選)に立候補せず、引退する見込みとなった。これにより、小池都知事陣営の標的の一人は、表舞台から消えることになる。

 もう一人の標的は、言わずと知れた石原慎太郎元知事である。2月7日、都議会の豊洲市場移転問題特別委員会は、石原元都知事の参考人招致を決めた。

 地方議会は、地方自治法第100条に基づく「百条委員会」という強い調査権を持つ委員会を設置できる。石原氏にしてみれば、百条委員会よりは、この委員会での参考人招致の方が出席しやすい。石原氏は「何でも話す」と表明しており、その場でしっかりと説明すれば、小池陣営もそれ以上、追求しづらくなることは確かだ。守勢であった石原氏の反転攻勢である。

 この主要な二人の標的を攻めにくくなった時、小池陣営は都議選に向けたいかなる手を打つのか?

 その答えの一つが、23区に対する「多摩格差」の解消策ではないか。

 多摩・島嶼(とうしょ)部は、人口で都全体の3分の1、面積で3分の2を占める。近年、多摩格差はずいぶんと解消してきているが、通勤・通学、観光・地域の移動の交通網など一つをとってみても、課題は大きい。

 すでに東京都の予算案では、格差解消に向けた措置はとられている。東京都の一般会計予算の総額は6兆9540億円であるが、5年ぶりに総額を縮小している。一方、多摩・島嶼の振興には、2393億円と前年度より193億円増額している。

小池陣営はSNSの活用が抜群


 また、小池都知事は、多摩・島嶼のすべての市町村長39人と意見交換を行うため2月の中下旬に5日間の日程を確保し、意見交換の時間は、1自治体あたり20分を予定している。当日はインターネット中継も行う。

 この効果は大きい。自分たちが住む市長や、町長、村長が、都知事と会い、振興策を話し合ってくれたとなれば、市町村長の株も上がり、小池都知事の株も上がる。

 その効果は、市よりも町、村となるほど威力を発揮する。例えば、東京都西多摩郡に位置する奥多摩町(人口約5270人)や檜原村(同2350人)などは人口こそ少ないが、都会の人々より義理堅く、自分たちを大事にしてくれた人には恩返しをする傾向が強い。

 口コミで、さらに携帯電話のスマートフォンのTwitterやFacebook、InstagramといったSNS機能を用いて、都内の親戚や友人・知人にその情報が伝播していく。

 このSNSの活用は、小池陣営が都知事選でフルに活用した手法であり、これを多摩の都民が自ら行ってくれることになる。マーケッティングの手法として見ても面白い。(続く)

文責=育鵬社編集部M

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