舛添問題の徹底追及を止めたのは都議会自民党の自己保身
<文/教育評論家・野田数 連載第11回>
舛添知事が辞任を表明した。
舛添問題への対応で、マスコミや世論から集中砲火を受けた都議会自民党は、わが身かわいさで舛添知事を「切り捨てた」のである。

「東京都知事 舛添要一 の活動レポート」Facebookより
連載第10回「舛添知事は都議会を解散せよ――都議たちの“政治と金”問題を逃すな」で筆者が述べたが、16日発売の『週刊新潮』でも書かれているように、舛添知事が批判を受けてきた公用車の公私混同使用や政治資金の私的流用、税金を原資とした政務活動費(舛添知事の場合は政党助成金)を利用した資産形成などは、都議会議員達も今まで堂々と行ってきたことなのである。
筆者は、舛添知事が最後に心を入れ替えて、都政における利権構造や都議会議員達の政治と金の問題を明らかにし、都議会を解散することを期待したが、そこまでの腹がなかったようだ。
ここまで生き恥をさらしたのなら、せめて最後に都政を浄化して辞めれば、舛添知事の評価も少なからず上がったのにと残念に思う。
一方、都議会自民党は、舛添知事を追い込み過ぎて逆に自らの「不都合な真実」を暴かれることを防ぐため、20日に予定されていた総務委員会の集中審議を中止した。そして野党が主張する舛添疑惑を追及するための「百条委員会」の設置も否決した。
彼らは自らの保身のために舛添知事を見捨て、同じく自らの保身のために舛添知事を守ったのだ。