小池都知事の次なる一手は(4)――多摩都民を敵に回し退陣を余儀なくされた舛添前知事

多摩テクノプラザを視察する舛添要一都知事。多摩重視の政策を打ち出していたが……。

 夏の都議選でも小池都知事陣営の作戦参謀と代表をつとめる野田数氏は、その著著『都政大改革』(扶桑社新書)で、小池百合子氏の都知事選の告示(平成28年7月14日)の翌日にとった選挙戦の作戦を振り返り、次のように記している。

「告示後にとった戦略が、島嶼地域での遊説だった。過去、有力候補は選挙期間中に島嶼に行ったことがない。我々は八丈島を選んだ。そしてその日のうちに一気に(多摩の)八王子へ移動した。遊説の場合、効率を考えがちだが、それは必ずしも正解ではない。我々は島嶼や多摩の課題に真摯に取り組むという姿勢を都民に示したかった。しかも、東京都の南から西を一日で移動したという溌剌さもアピールできた」(同書58ページより)

 当時の小池氏は、7月21日には檜原村や奥多摩町もいち早く訪れ、他の都知事選候補者は後れを取るばかりであった。その差が、都知事選の大差の要因の一つになったと言ってよいだろう。

多摩都民を敵に回してしまった舛添知事の舌禍


 ところで、かつて舛添要一前知事は、多摩地区に関して二つの舌禍(ぜっか)があった。

 一つは、平成26年2月9日に行われた東京都知事選で舛添氏が大差をつけて勝利し、報道番組に登場して意気込みを語っていた際の発言である。

 今後の都政の方針について聞かれ、「まず防災が第一でしょう」「直下型地震も来る危険性があるんで。防災でも世界一をやる」と語った。司会者が「東京にとっても、今回の大雪っていうのは、災害だと思うんですけど」と質問すると、舛添氏は「雪国から見ると笑っちゃうくらいのこと」「(大雪は)一日で終わる話ですから。直下型地震とか、集中豪雨とかそっちのほうが大きいと思いますね」と答えた。(「ライブドアニュース」2014年2月10日から抜粋)

 正式には、知事就任前の発言であったが、奥多摩では積雪が1メートルを超え、JR中央快速線は多摩地域で動かなくなるなど、交通が大混乱をきたしており、安易な発言であった。
 
 もう一つは、平成27年4月27日に、毎週末、神奈川県湯河原の別荘に通っていることが明るみになった際に、記者団から「危機管理上の問題」を追及されると、舛添氏は「距離的に(東京西部の)奥多摩より、おそらく早く帰ってこられる」と主張した。
 
 この発言は多摩地区の人々の怒りを買い、別荘通いをかばう人がいなくなってしまい、退陣を余儀なくされていった。(続く)

文責=育鵬社編集部M

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