No.1売上げ嬢が語る「出会い系サクラ」最新事情
携帯向けエロコンテンツのなかで、特に根強い人気を誇ったジャンルといえば出会い系サイト。男性誌の広告ページには、「100%素人娘。ヤレる! 出会える!」といった出会い系サイトのキャッチコピーが並び、隆盛を極めた。ところが、増え続ける男性会員に対して、女性側は「金銭目当て」を除けばコマが圧倒的に足りない。そうしたバランスの悪さを解消しようと業者側が用意したのが、「出会い系サクラ」の存在だった。
「当時は会員数が増えすぎて、一つの業者が5つ、6つのサイトを持つなんて当たり前だった。一度システムを作れば、サイト自体は適当にコピーして作れるので、制作代もかからない。ウチも4つほど作ってたけど、8人のサクラをフル回転させてたよ」
そう語るのは元出会い系業者のWさん(36歳)。10年前に最初のサイトを立ち上げてから2年後に最盛期を迎え、月150万円の粗利を得ていたという。
「簡単に儲かった分、落ちるのも早かったけどね。業者が増えすぎたってのもあるけど、『出会い系はサクラばっかり』ってことが浸透しちゃったってことが大きいかな。まあ客もバカじゃないから、毎回、熱心にメールのやりとりして、最後は“ヤラずぼったくり”どころか、出会えることもなく終わるのがほとんどでしょ。最近でも残ってるのは、真剣交際をウリにしてるメジャーなサイトばかり。ま、これは出会い系サイト規制法で届け出義務が厳しくなったってこともあるけどね」
いわゆる、下記のように「素人でお金もいらない。だけど、エッチな関係を求めている」女(サクラ)の投稿で埋め尽くされたサイトは、事実上、絶滅状態だという。
●「夫は外で楽しんでるみたいだし、私もたまには遊んでもいいのかな……。誰か不倫っていうより、秘密の恋人関係になってくれる方いませんか? 163cm40k台で安めぐみに似てるって言われます」
●「30代の独身です。いまどき男性経験がない……とはいいませんが、本気で感じたことがありません。私も一度は女の良さを知りたくて。私の願いを叶えてくれる人、ご連絡ください」
冷静になって読んでみれば、「普通の女がこんな文章書くわけねーだろ!」と突っ込みたくなる内容ばかりなのだが、こうした、股間をくすぐるメールにダマされてしまうのも男の悲しい性ってやつか。ともあれ、「素人とのエッチ」を謳う業者がほぼ絶滅ってことは、サクラも自然消滅……かと思えば、そんなことはない。現在も“出会い系サクラ”で稼いでいるというY美さん(29歳・OL)に話を聞いてみた。
「出会い系のサクラは学生時代からやってたんだけど、ちゃんと時給制で報酬をくれてたのは4、5年前まで。最近は婚活SNSサイトでの“女性会員・特別枠”がそれに近いかな。前に働いていたところから紹介されたんだけど、男のほうが好みの女性会員を見つけて、写真・プロフィール閲覧(1500円)やメールアドレス取得(1500円)、メール送信(500円)する度にポイントを払うシステムで、私が指名された場合はその8割が還元されるの。多いときは月15万円くらい稼げる。こっちは彼氏もいるし、出会いを求めてるわけじゃないから、ぶっちゃけ、サクラのバイトやってたのと同じ感覚だよね」
従来のサクラと違うのは、Y美さんの写真・プロフィールは本物。話の展開によっては、実際に相手と会うこともあるからだ。それにしても、その歩合料金で月15万円って……。そんなに稼げるもんなのか?
「私は水商売やったことないけど、たぶんキャバ嬢と似たようなことじゃないかなぁ。メールをたくさん送信させればいいわけだから、1回だけで会っちゃったら大損でしょ。だから引き延ばすテクを使えばいいわけ」
そのテクとは?
「とにかく『相手に誘わせる』ように仕向けるのがポイント。ヘタな女のコは、行くつもりもないのに、『飲みに連れてってほしい』とか『映画観に行きたい』ってメールして、そのくせ男の誘いは無視するから、すぐ男が離れていっちゃう。私はもっとぼんやりと『そういえば最近、飲んでないなぁ』とかぼんやりと発言して、男に『えっ? 俺に誘って欲しいってこと?』って思わるようにしてる。あと、謎解きのような返事をして、“口説きモード”にもっていかせるのもポイント。たとえば、『○○さん、前に私のこと、いい奥さんになるって言ってたけど……あれってどういう意味だったの?』とか聞けば、男は『あと一押し。なんかうまいこと言えば誘える』って思うじゃない。その状態にもっていければ、謎解き質問を繰り返すだけで、ジャカジャカお金をオトしてくれるよ(笑)。で、十分元を取ったってところで、デート。でも、待ち合わせ場所を見て、相手の男があまりにもキモかったら、“無限ループ作戦”を使う。これは前のサクラ業者時代から使ってた奥義だよ」
たとえば待ち合わせを○○ホテルでと指定し、「あ、ロビーのほうだったの? 上のラウンジきちゃった」といい、相手が上にあがってきたところで「え? ごめん。入れ違いに下に降りてきちゃった」とすれ違いを繰り返し、最後は「ごめぇん、急に妹から電話があって、病院行かないと」などと言って、会わずにその場を立ち去るというのだ(んなアホな!)。
「まあ別に悪気があってやってるわけじゃなくて、メール一つで男を操作してる感じがやみつきになっちゃってるだけで。これも一種の職業病かな」
とはいえ、7割の男とは実際にデートすることはするそうで、まったくの詐欺というわけでもないが、まっとうな業者の中にも、こんな猛者がいることは知っておいてもよさそうだ。 <取材・文/スギナミ>
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