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【Windows8】OSの“大改革”はなぜ必要だったか?

待望の(?)「Windows 8」が誕生した。だがこの新OS、いつもの「新OS」とはワケが違うシロモノ。なんとなく導入する前に必ず読むべし! ◆OSの“大改革”はなぜ必要だったか? Windows8「パソコンの用途を考えたとき、今やネットを見てちょっとメールを書いて……といったライトな使い方がメインになりつつあります。そんななかで、iPadやAndroidタブレットが従来のパソコンを食いつぶす勢いで急速に浸透している。この流れに呑み込まれまいとして、マイクロソフトはWindows8を出してきたのです」と解説するのは、モバイル評論家の法林岳之氏。  マイクロソフトがタブレットに手を出したのは今回が初めてではないが、今回は“生死がかかっている”だけあって本気度が違う。 「従来は、Windows7やVistaがそのままタブレットに乗っていたので、例えば画面を閉じたければ、あの小さい[×]ボタンをタッチしなければならず、快適性はまったくなかった。一方、Windows8はタッチ操作向けにきちんと考え抜かれたOSです。ロンドンの地下鉄の標識を基調にした原色使いが見やすく、最後発だけあってiOSやAndroidと比べても使い勝手はこなれている」(法林氏)  こうした「タブレットとしての使いやすさ」の裏で犠牲になったのが、従来の「ウィンドウズとしての使いやすさ」だ。 「モダンUIで[デスクトップ]と書かれたパネルをタッチすれば、慣れ親しんだデスクトップによく似た画面が登場しますが、そもそもモダンUIが要らないという人にとってはまったく余計なひと手間。デスクトップをホーム画面に設定することも不可能で、是が非でもモダンUIを使わせようというマイクロソフトの意地を感じます。デスクトップの操作も、スタートメニューがないので、従来とは勝手が大きく違う。電源の落とし方すら初見ではわかりにくい。長年のウィンドウズユーザーでも、PC誌や入門書の助けをまったく借りずに操作するのは難しいのでは」と、ITライターの柳谷智宣氏は苦笑する。 「従来のユーザーとしては、タブレット用OSはパソコン用OSとは別に作ってくれよ……と言いたくなるところでしょうが、従来ユーザーの大半がいずれ乗り換えるはずのWindows8を通じて、モダンUIのシェアを一気に伸ばすのがマイクロソフトの狙い。アップル、グーグルに殴り込みをかけ、モバイル市場を分捕るために、パソコン市場を犠牲にしたというわけです」  一方で「今のタイミングを逃すと手遅れになる」というマイクロソフトの判断だったのか、肝心のモダンUIも粗削りな状態で世に出てしまった感が否めないという。 「モダンUI上では『Windowsストア』で買えるアプリしか動かないのですが、この品揃えがお粗末すぎる。アップルにケンカを売るなら、スタート時点でiTunesと同程度のラインナップを実現すべきでした。標準のメーラーやカレンダーも酷い。メーラーは振り分けもできず、単に受信するだけ。いずれ更新はされるのでしょうが……」(柳谷氏) ― 知らないとひと苦労!? 「Windows8」デビュー講座【2】 ―
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