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マー君も心配? ヤンキース“ヒューズの呪い”とは

前代未聞の7年、約161億円の契約で名門ヤンキースのピンストライプのユニフォームに袖を通すことになったマー君こと田中将大(25歳)。日本一の右腕が異国の地でぶつかる難敵はなにも対戦相手ばかりではない。同僚、マスコミ、ファン、食生活……マー君が名実ともにニューヨークの顔になる“条件”を探った ◆ヤンキースファンの地雷 P・ヒューズの呪い
田中将大

mlb.comより

「ヤンキースファンには“トラウマ”がある。昨季4勝14敗に終わった先発右腕フィル・ヒューズだ」と語るのは日本在住のスポーツライター。昨シーズンのヒューズは、ホームのヤンキースタジアムで1勝10敗と、ファンの前で目も当てられないほどの惨敗劇を披露。プレーオフ進出を最低条件に掲げるヤンキースファンに、登板するたびに「絶望感」を刷り込んだという。  15試合以上ホームで先発を務めながら2勝未満に終わった投手は、名門ヤンキースにとって初めてどころか、メジャー史上でも’79年にフィル・ホフマンといういわゆる無名の選手がやらかして以来、2人目となるワースト記録を作ってしまったのだ。  だがホフマンと違ってヒューズは、’07年にヤンキースがドラフト1巡目指名で獲得した若手エリート。良い時は、圧巻のピッチングを見せるので、ヤンキースも大切に育ててきた。そのかいあって、’10年はリーグ4位の18勝、’12年はチームトップの16勝を挙げた。しかし’11年は大スランプで5勝、’13年は4勝に終わり、今オフ、しびれを切らせたヤンキースはFAとなったヒューズに積極的な再オファーを出さず、結果的にヒューズは、隣地区のミネソタ・ツインズと契約。ヤンキースファンは、胸を撫で下ろしているという。 「そんな折のマー君の入団。気をつけたいのは、ヒューズを思い起こさせる乱調を起こさないことです」(前出のライター)  マー君は、ランナーを背負ってから本気のピッチングをするが、日本では外野フライに打ち取った当たりも、パワーと体躯に勝るメジャーリーガーたちがスタンドに運ぶ可能性は高い。 「逆にお手本にしたいのは、エースの黒田です。昨季の後半こそ調子を落としたものの、’12年にヤンキースに移籍して以来、安定したピッチングでチームに貢献してきました。昨季はチームに故障者が続出するなか、序盤から独り気を吐くパフォーマンスを披露するも後半は失速し、ファンも『黒田にヒューズの呪いがかかった!』と大騒ぎする一方で、『今季は序盤からチームを全力でけん引してきたのだから疲労が出たに違いない』と不調の黒田を擁護する声も溢れました。ヒューズとは対照的に、堅実な投球でファンの信頼を勝ち得た証しでしょう」(同)  元来コントロールの良いマー君のこと、不慣れなメジャー球とはいえ四球の心配は無用だろう。コツコツとアウトを重ねるピッチングスタイルは、奪三振にこだわらなければ本領を発揮しそうだ。 ― 大手マスコミが書けない マー君がヤンキースで活躍できる条件【7】 ―
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