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死後にムダな恥をかかない[終活ツール]を厳選

「終活」の発想もないまま、30~40代の若さで突然亡くなった人々の周囲では予期せぬトラブルが発生している。今や誰もが人目に晒したくない何かをパソコンやスマホの中に抱え、その「何か」が、実害を及ぼすケースも少なくない。死後にムダな恥をかかないためにも、即刻デジタル周りの管理体制を見直せ! ◆「終活ツール」が続々登場中! 終活 デジタル絡みの死後トラブルは、ベクトルが正反対の2タイプに分類される。すなわち「データが残っていたために起きるトラブル(浮気バレなど)」と「データが伝わらなかったために起きるトラブル(ネット口座情報消失など)」。前者には「消す」対策、後者には「残す」対策が必要というわけだ。  終活への関心の高まりを受けて、さまざまなツールが世に出ているが、中には「消す」と「残す」がセットになったスグレモノも。 「フリーソフトの『僕が死んだら』は、[僕が死んだら]という思わせぶりな名前のファイルを遺族がクリックすると、あらかじめ指定されていたデータが消去される仕組み。同時に、暗号化されていた遺族へのメッセージが開くので、遺族にとっては“残す”ためのツールとなります」(ITライターの古田雄介氏)  とはいえ、これらのツールも万能ではない。 「スマホに対応したツールはまだ少ないのが現状です。ネット系のサービスも、遺言伝達サービスを中心に充実してきてはいますが、運営会社がいつまで存続できるかは未知数。確実に機能しそうなのは、グーグルが昨年から提供を開始した『アカウント無効化管理ツール』くらいですね」(同)  ツールに頼りすぎるのではなく、補助的に活用するのが正解だ。 「死後にすべてが暴かれるんじゃないかと不安に思っている男性が多いようですが、残された人間にとっては“知りたい情報”さえ手に入れば十分。普段から“死んだら連絡してほしい相手”について話題にしたり、家族写真をプリントアウトしてアルバムを作ったり、ネット銀行の口座情報を残したりしておけば、死後にパソコンやスマホを捜索される可能性はぐっと低くなりますよ」(同) ◆注目の「終活ツール」5選 僕が死んだら】遺族を誘導してファイルを消去 いざというとき消去したいデータを指定すると、遺言を装ったファイルがデスクトップ上に作成され、それを開くと消去が実行される。 http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se444807.html 【死後の世界】時限式でファイルを消去 上記『僕が死んだら』と同様のコンセプトのフリーソフト。こちらは時限式(最後に起動してから○日後、あるいは特定の日時)で任意のファイルが消去される。 http://www.yukibow.com/ JIGEN】時限消去機能付きHDDケース 設定した日数以内にアクセスしないとデータが消える。あくまで「ケース」なので、中身のHDDは自前で用意が必要。すでに使用中のHDDを暗号化することはできない。Amazonで3,500円(5/12時点) 【Last Message】信頼できる友人を介してデータ消去 今年スタートのネットサービス。メルマガ配信を通じて生存確認を行い、死亡が疑われたら指定の“バディ”に通知。バディには、遠隔操作で故人のPCやスマホのデータを消去するキーが渡される 【グーグルアカウント無効化管理ツール】Gmailをアカウントごと消去! ウェブ履歴、Gmail の利用状況、Androidのチェックインなどを調べ、一定期間利用がなければ、ユーザーが事前に設定したとおりにアカウントを消去したり、他のユーザーに通知したりしてくれる <最低限やっておきたい終活TO DOリスト> ●「死んだら連絡してほしい人」について、普段から家族やパートナーにそれとなく伝えておく。 ● パソコン上の見られたくないデータは、デスクトップ以外の場所に、欧文名のフォルダで保管する。 ● スマートフォンにはバレないパスコードをかけ、iPhoneではローカルワイプ機能を設定する。 ● ネット系マネーサービスのIDとパスワードをリスト化し、預金通帳と一緒に保管しておく。 ● グーグルの「アカウント無効化管理ツール」を設定しておく。 取材・文/江沢 洋 田中麻衣子 古澤誠一郎 撮影/高仲建次 アンケート協力/アイオイクス ― 35歳から始める[デジタル終活]完全ガイド【6】 ―
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