安保議論の陰で、ビミョーな法案が続々と成立

安倍晋三 安倍政権が今国会で何としても成立させようと躍起になっている安保法案が批判を浴びている。実はその陰で、多くの重要法案がこっそり進められていた!

 安保法案の陰で審議中の法案には、一見マトモそうに見えて実は微妙……というものもある。

 例えば、女性活躍推進法案。安倍政権は、女性の力を活用して「強い日本経済を取り戻す」として、政府や自治体、従業員が300人を超える企業などに対して、女性の採用に関する数値目標を含む行動計画を策定し、公表を義務付けている。しかし野党からは「出産で退職する女性は6割。非正規労働者の約7割が女性。仕事と子育ての両立などの問題も解決されていない」「育児休業制度も介護休暇制度も、利用するのは女性ばかり。男性の長時間労働は変わらず続いていて、時間外に働くことが難しい子育て中や介護中の女性社員は、重要なポストになかなかつけないのが現実」(林久美子参院議員)との指摘がされている。

 また、この法案とセットで法制化が進んでいるのが、介護や家事労働などでの外国人受け入れ増だ。今国会に「国家戦略特区法改正案」が提出されている。しかし「日本の労働基準法では『家事使用人』は適用外」(アジア女性資料センター、移住労働者と連帯する全国ネットワーク)など、外国人労働者が低賃金、長時間労働などの劣悪な労働環境におかれ、労基署などの支援も十分受けられないまま、閉鎖的な職場で働くことになるのではとの懸念も広がっている。

 そのほか、刑事訴訟法などの改正案も。警察と検察の取り調べの録音・録画(可視化)の義務付けや司法取引の導入などについても疑問符が。法案では、可視化されるのは裁判員裁判の対象事件や検察が独自に捜査する事件のみで、全事件のわずか2%。「捜査員の恣意的な判断で、取調べの録画・録音を『いいとこ録り』して、自分の罪を逃れるために他人の密告を奨励する『司法取引』がこれまで数々の冤罪を生み出してきたことの反省がまるでない」(なくせ冤罪!市民評議会)と批判されている。

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<取材・文/週刊SPA!編集部>

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