「東京ゲームショウ2015」の見どころ大予想
世界中のゲームファンが殺到する一大イベント、東京ゲームショウが今年も明日から開催される。今年のイベントの見どころを、3人のゲーム業界通に伺った。
◆規模は過去最大! 盛況必至の会場で注目のタイトルを公開!!
日本はもちろん、世界中の最新ゲームが一堂に会する、日本最大規模の総合展示会“TOKYO GAME SHOW”(以下、TGS)。Amazonが初出展することでも話題となった今年のTGSは、国内外から大規模ブースの初出展が相次いでいるほか、スマートフォンゲームやソーシャルゲーム、ビジネスソリューションコーナーへの出展規模が拡大。TGSでは初めて幕張メッセの全館を使用する、大規模なものとして開催される予定だ。
◆スマホメーカーの大胆なチャレンジ
そんな期待の高まるTGS2015で、ゲーム総合誌『週刊ファミ通』の林克彦編集長が“象徴的”と注目するのが、『グランブルーファンタジー』を最大規模のブースで出展するサイゲームス。
「大きなブースは、複数のタイトルを展示するために作るのが常套です。そんななか、スマホのメーカーがワンタイトル中心のブースで、最大規模のスペースを用意するのは非常に稀。それができるのは運営型タイトルの強さですし、スマホゲームが浸透している大きな流れの象徴であると思います」
林編集長と同じく、『グランブルーファンタジー』を注目作に挙げたゲームコラムニストの卯月鮎氏は、「TGSで既存のスマホゲームの人気をさらに加速させるためのイベントや、新展開の告知を行うパターンが増えそう」とも。
「スマホゲーム市場は、コンシューマーゲームの約2倍の規模に急成長しました。日本を代表するセガゲームスやバンダイナムコ、コナミなどは特にスマホゲームに力を入れているので、新作のスマホゲームなど、何かしら大きな発表があるかもしれません」
さらに、卯月氏や海外ゲームに明るいライターの長谷部善之氏は、海外のスマホゲームメーカーの出展にも大きな期待を寄せている。
「世界最大の規模を誇る日本のスマホゲーム市場は、海外から見ても魅力的。『クラッシュ・オブ・クラン』のSupercellを筆頭に、海外メーカーのほとんどはスマホゲームを出展します。一昨年から昨年にかけて大ヒットをした音楽ゲーム『Deemo』も、細々とTGSに出展されていました。海外スマホゲームのコーナーでは、そんな未来のヒット作と出合える可能性が高いですね」
◆人気シリーズの最新作も登場!?
スマホゲームの勢いに押されがちだが、ハンティングアクションゲームのブームを巻き起こした人気シリーズの最新作『モンスターハンタークロス』など、コンシューマーゲームにも見どころは多い。
「新しいチャレンジをしている『モンハン』の新作は、大注目のタイトル。また、スクウェア・エニックスやソニーからは、特に目が離せません」とは林編集長。
「スクウェア・エニックスは、とにかく勢いがあり、RPGを中心に多数の話題作の出展が予想されます。出展タイトルの発表が楽しみです。また、ハイエンドゲームの波が日本にも来ている今、ソニーのブースでは、プレイステーション4(以下、PS4)がさらに普及していく一端が見られるのでは、と期待しています」
そして長谷部氏は、「PS4では海外ゲームメーカーの本気が見られるのが楽しみ」とも。
「ハードのスペックで歯がゆい思いをしてきた海外のクリエーターのアイデアが、高スペックのPS4で実現していくと思います」
なお、昨年注目を集めたインディーゲームのブースも健在。卯月氏や長谷部氏は、『ロックマン』の生みの親・稲船敬二氏の『Mighty No.9』に注目する。
「アラブ首長国連邦や台湾、スウェーデン、スペインなどのスタジオが名を連ねていて、昨年同様、国際色豊かになると思いますが、柱は『Mighty No.9』や、今年のBitSummitで大賞に選ばれた『LA―MULANA2』になりそう。いずれにせよ、インディーならではの尖ったセンスやヘッドマウントディスプレイのような驚きのデバイスの発表に期待しています」(卯月氏)
また、林編集長は「今年のTGSは、闘会議やYouTubeといった配信系のブースがあるのも大きな特徴」と教えてくれた。
ニコニコ闘会議とは、大規模なユーザー参加型ゲームイベントのことで、来年の1月には幕張メッセで大会も開催される。ちゃんとしたブースがTGSに出展されるのは、闘会議はもちろん、YouTubeも今回が初めての試みとなる。
「闘会議やYouTubeの出展は、プレイ動画や実況動画を楽しむ人が急増したという、昨今のゲームを取り巻く環境を象徴した出来事。ゲームというくくりのなかで、ますますバラエティ豊かなイベントになると思います」
最大の規模で実施されるTGS2015に、ぜひ足を運んでみてほしい。
<林克彦氏の見どころ>
●スマホメーカーが最大規模の展示
●『モンハン』の新作
●闘会議とYouTubeブース
<卯月鮎氏の見どころ>
●大手メーカーのスマホゲームに注目
●インディーゲームのセンスに期待
●新デバイスの動向
<長谷部善之氏の見どころ>
●未来のヒット作に期待
●海外コンシューマの本気度
●稲船敬二氏の『Mighty No.9』
【林克彦氏】
『週刊ファミ通』編集長。『週刊ファミ通』編集長。誌面はもちろん、Twitterや動画配信でゲームの情報や魅力を発信。詳細は、http://www.famitsu.com/
【卯月鮎氏】
ゲームコラムニスト。ゲームやアニメ誌の編集を経て独立し、ゲームの紹介やコラム、書評を中心に活動中。http://differenceengine.blog109.fc2.com/
【長谷部善之氏】
ゲームライター。1万2000本以上のアプリを個人所有しているフリーライター。プラットフォームに関係なく、とくに海外のゲームや市場に明るい
取材・文/黒田知道
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