伝説の極真元世界チャンピオンに聞く! 伝統空手の五輪種目決定をフルコン側はどう思っているのか?(2)

フルコンタクト空手初、統一組織JFKOの誕生


 約半世紀の歴史を持ち、全世界の老若男女、多くの愛好者がいるにもかかわらず、フルコンタクト空手がこれまで確立されたスポーツ競技として世間に認知されず、社会的な国民スポーツとしての地位を構築できなかったのは、流派が分散し、統括組織が設立されていなかったことが要因として考えられます。それがさらなる認知度アップの壁となっていました。

 統一組織の待望論が高まる中、平成25(2013)年3月、フルコンタクト空手界初の全国組織である公益社団法人全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)が設立されました。「オリンピック」という共通の目標を旗印とすることで、国内219の流派・団体と、世界92力国が加盟する複数の国際団体が一体となり、かつてない大規模の大同団結が実現しました。JFKOは、(1)競技種目の確立、(2)社会認知の向上、(3)国際的な組織化を活動の三本柱とし、その先にある空手のオリンピック正式種目化を見据え、積極的な活動を続けています。

 翌年の5月には、大阪市中央体育館でJFKO主催の第1 回全日本フルコンタクト空手道選手権大会を開催し、音楽家・長渕剛氏のサポートも受け、1万人収容の会場は超満員となり、このムーブメントの注目度が証明されました。

フルコンのオリンピック競技化へ向けて


 フルコンのオリンピック競技化を目指す旅は、まだ終わっていません。私たちはフルコンタクト空手が単独で国際オリンピック委員会(IOC)承認を勝ち得るため、その存在を国際スポーツ界にアピールしていくことを直近の使命ととらえています。設立当初219だったJFKO加盟団体は284にまで増え(28年10月現在)、27年7月には内閣府からフルコン唯一の公益牡団法人として認定されました。団体数で言うと、すでにフルコンの約70%の団体がJFKOに加盟していますが、それを100%に近づけていく流れをつくっていきたいと思います。大会では日本アンチ・ドーピング機構(JADA)のドーピングテストも導入しています。オリンピック競技を目指す上でも、ドーピングテストのある環境は選手たちの意識づけという面で重要だと思います。

 そして今年、JFKOはNF(ナショナル・フェデレーション)元年をスローガンに掲げ、世界各国のフルコン連盟設立の活性化をサポートしていくことを決めました。そうした地道な活動を続け、各国での連盟づくりと並行し、世界組織の全世界フルコンタクト空手道連盟(WFKO)の立ち上げ準備も進めています。世界中のフルコンタクト空手団体に大同団結を呼びかけ、近い将来、WFKOによる全世界大会も開催する計画です。また、オリンピックへの前段階としてスポーツアコードへの加盟も目指します。WFKOの設立によって、その活動はより活性化されるでしょう。

 これはオリンピックへの道であると同時に、フルコンの発展そのものに直結する活動でもあります。直接打撃制で打ち合うフルコンタクト空手は、お互いに痛みを理解し合い、勇気やあきらめない心といった精神的な強さを養うことのできる極めて武道性の高い競技であり、それが国内外を問わず老若男女に愛されている要因でしょう。志を同じくする仲間たちが世界中にいますから、これからも一丸となって前に向かって進んでいきたいと思います。

「国内無差別級最強」の称号をかけた戦い


緑氏が第48回全日本空手道選手権大会の見所を語ってくれた。

 10月22日(土)、23日(日)に東京体育館で、JFKOの幹事的役割を果たす新極真会主催の「第48回全日本空手道選手権大会」が開催されます。本大会は翌年カザフスタンで開催される第6回全世界ウエイト制空手道選手権大会の最終選抜戦も兼ねており、強い意気込みで望む選手たちの熾烈な戦いが幕を開けます。今回は、テレビ東京系列全国6局ネットでテレビ放映されますが、一流選手同士の鍛え抜かれた心技体がぶつかり合う迫力を、ぜひ、会場に足を運んでご覧ください。

 今大会の見所ですが、注目すべきは前回の全世界大会優勝者であり、世界のフルコンタクト空手を牽引する優勝候補の筆頭・島本雄二選手です。そして目が離せないもう一人の存在が、全世界大会で惜しくも準優勝となった入来建武選手です。技術とパワーに磨きをかけ、5月に開催された第3回JFKO全日本大会重量級で新王者に輝いた破竹の勢いに乗り、新世代のエース対決でリベンジを果たせるか。この二人の動向に注目してください。

 女子では全出場選手で最年少の17歳ながら全世界大会で準優勝した南原朱里選手が優勝候補の一角です。また、第3回JFKO全日本大会の各階級優勝者にも着目です。輝かしい戦績を持つ加藤小也香選手、今大会から新極真会メンバーとして参戦する荒木千咲選手、女子で唯一大会3連覇を成し遂げた菊川結衣選手が、無差別級でもその強さを見せられるかが注目です。

空手の本分は武道の追求


 日本のフルコンがまとまり、大会を重ねるごとに強大化していくことは、世界のフルコン界にも大きな刺激を与えていくはずです。そのためにもJFKOの選手たちには、観客の皆さんに感動を与える闘いを期待したいですし、フルコンの魅力を存分にアビールしてほしいと思います。フルコンの未来は選手たちがつくっていくのです。だからこそ、私たちは選手たちがやりがいのある舞台、チャンピオンであることに誇りを持てる大会づくりに全力を注いでいきたいと思っています。

 一方で、常に忘れてはならないのが、新極真会の本分は武道の追求であるということです。もちろんフルコンタクト空手のオリンピック種目化も私たちの夢ですし、その活動は今後も続けていきます。ただ、それは空手のスポーツ的な側面であり、この世界大会を頂点とする「直接打撃」「素手素足」「体重無差別」の闘いこそが“武道空手”を標榜する私たちが守るべき中心軸です。

 オリンピックを目指して競技を整備していくことも重要ですが、一方で武道空手をさらに発展させ、オリンピックに匹敵する規模とステータスを築いていくことも私たちの重大な使命です。サッカーのW杯もオリンピック以上に価値あるものとされています。そうなれば理想的ですし、そのくらいの潜在的なパワーはフルコンタクト空手界にはあります。選手の皆さんにも、ぜひ武道空手の魅力を体現してほしいですね。

【緑健児(みどり・けんじ)】
昭和37(1962)年生まれ。鹿児島県奄美大島出身。国際空手道連盟極真会館に入門し、軽量級選手として活躍。165cm、70kgの体格ながら、日本代表選手として出場した第5回世界大会では軽量級選手として史上初の無差別級王者となった。現役引退後は故郷・奄美大島と福岡県で後進の指導に当たる。また組織活動にも精力的に努め、NPO法人全世界空手道連盟新極真会代表として、現在、世界94カ国の新極真会を統括。骨髄バンクチャリティーや献血など社会貢献にも力を注いでいる。

◆「国内無差別級最強」の称号をかけた「第48回全日本空手道選手権大会」が10月22日(土)・23日(日)、聖地・東京体育館で開催!

取材・文/育鵬社・山下徹

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