検索
新着
ニュース
エンタメ
ライフ
仕事
恋愛・結婚
お金
スポーツ
グラビア
サブスク
トップ
日刊SPA!PLUS
伝説の極真元世界チャンピオンに聞く! 伝統空手の五輪種目決定をフルコン側はどう思っているのか?(2)
2016年10月20日
伝説の極真元世界チャンピオンに聞く! 伝統空手の五輪種目決定をフルコン側はどう思っているのか?(2)
山下徹
フルコンタクト空手初、統一組織JFKOの誕生
約半世紀の歴史を持ち、全世界の老若男女、多くの愛好者がいるにもかかわらず、フルコンタクト空手がこれまで確立されたスポーツ競技として世間に認知されず、社会的な国民スポーツとしての地位を構築できなかったのは、流派が分散し、統括組織が設立されていなかったことが要因として考えられます。それがさらなる認知度アップの壁となっていました。 統一組織の待望論が高まる中、平成25(2013)年3月、フルコンタクト空手界初の全国組織である公益社団法人全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)が設立されました。「オリンピック」という共通の目標を旗印とすることで、国内219の流派・団体と、世界92力国が加盟する複数の国際団体が一体となり、かつてない大規模の大同団結が実現しました。JFKOは、(1)競技種目の確立、(2)社会認知の向上、(3)国際的な組織化を活動の三本柱とし、その先にある空手のオリンピック正式種目化を見据え、積極的な活動を続けています。 翌年の5月には、大阪市中央体育館でJFKO主催の第1 回全日本フルコンタクト空手道選手権大会を開催し、音楽家・長渕剛氏のサポートも受け、1万人収容の会場は超満員となり、このムーブメントの注目度が証明されました。
フルコンのオリンピック競技化へ向けて
フルコンのオリンピック競技化を目指す旅は、まだ終わっていません。私たちはフルコンタクト空手が単独で国際オリンピック委員会(IOC)承認を勝ち得るため、その存在を国際スポーツ界にアピールしていくことを直近の使命ととらえています。設立当初219だったJFKO加盟団体は284にまで増え(28年10月現在)、27年7月には内閣府からフルコン唯一の公益牡団法人として認定されました。団体数で言うと、すでにフルコンの約70%の団体がJFKOに加盟していますが、それを100%に近づけていく流れをつくっていきたいと思います。大会では日本アンチ・ドーピング機構(JADA)のドーピングテストも導入しています。オリンピック競技を目指す上でも、ドーピングテストのある環境は選手たちの意識づけという面で重要だと思います。 そして今年、JFKOはNF(ナショナル・フェデレーション)元年をスローガンに掲げ、世界各国のフルコン連盟設立の活性化をサポートしていくことを決めました。そうした地道な活動を続け、各国での連盟づくりと並行し、世界組織の全世界フルコンタクト空手道連盟(WFKO)の立ち上げ準備も進めています。世界中のフルコンタクト空手団体に大同団結を呼びかけ、近い将来、WFKOによる全世界大会も開催する計画です。また、オリンピックへの前段階としてスポーツアコードへの加盟も目指します。WFKOの設立によって、その活動はより活性化されるでしょう。 これはオリンピックへの道であると同時に、フルコンの発展そのものに直結する活動でもあります。直接打撃制で打ち合うフルコンタクト空手は、お互いに痛みを理解し合い、勇気やあきらめない心といった精神的な強さを養うことのできる極めて武道性の高い競技であり、それが国内外を問わず老若男女に愛されている要因でしょう。志を同じくする仲間たちが世界中にいますから、これからも一丸となって前に向かって進んでいきたいと思います。
「国内無差別級最強」の称号をかけた戦い
緑氏が第48回全日本空手道選手権大会の見所を語ってくれた。
10月22日(土)、23日(日)に東京体育館で、JFKOの幹事的役割を果たす新極真会主催の「
第48回全日本空手道選手権大会
」が開催されます。本大会は翌年カザフスタンで開催される第6回全世界ウエイト制空手道選手権大会の最終選抜戦も兼ねており、強い意気込みで望む選手たちの熾烈な戦いが幕を開けます。今回は、テレビ東京系列全国6局ネットでテレビ放映されますが、一流選手同士の鍛え抜かれた心技体がぶつかり合う迫力を、ぜひ、会場に足を運んでご覧ください。 今大会の見所ですが、注目すべきは前回の全世界大会優勝者であり、世界のフルコンタクト空手を牽引する優勝候補の筆頭・島本雄二選手です。そして目が離せないもう一人の存在が、全世界大会で惜しくも準優勝となった入来建武選手です。技術とパワーに磨きをかけ、5月に開催された第3回JFKO全日本大会重量級で新王者に輝いた破竹の勢いに乗り、新世代のエース対決でリベンジを果たせるか。この二人の動向に注目してください。 女子では全出場選手で最年少の17歳ながら全世界大会で準優勝した南原朱里選手が優勝候補の一角です。また、第3回JFKO全日本大会の各階級優勝者にも着目です。輝かしい戦績を持つ加藤小也香選手、今大会から新極真会メンバーとして参戦する荒木千咲選手、女子で唯一大会3連覇を成し遂げた菊川結衣選手が、無差別級でもその強さを見せられるかが注目です。
空手の本分は武道の追求
日本のフルコンがまとまり、大会を重ねるごとに強大化していくことは、世界のフルコン界にも大きな刺激を与えていくはずです。そのためにもJFKOの選手たちには、観客の皆さんに感動を与える闘いを期待したいですし、フルコンの魅力を存分にアビールしてほしいと思います。フルコンの未来は選手たちがつくっていくのです。だからこそ、私たちは選手たちがやりがいのある舞台、チャンピオンであることに誇りを持てる大会づくりに全力を注いでいきたいと思っています。 一方で、常に忘れてはならないのが、新極真会の本分は武道の追求であるということです。もちろんフルコンタクト空手のオリンピック種目化も私たちの夢ですし、その活動は今後も続けていきます。ただ、それは空手のスポーツ的な側面であり、この世界大会を頂点とする「直接打撃」「素手素足」「体重無差別」の闘いこそが“武道空手”を標榜する私たちが守るべき中心軸です。 オリンピックを目指して競技を整備していくことも重要ですが、一方で武道空手をさらに発展させ、オリンピックに匹敵する規模とステータスを築いていくことも私たちの重大な使命です。サッカーのW杯もオリンピック以上に価値あるものとされています。そうなれば理想的ですし、そのくらいの潜在的なパワーはフルコンタクト空手界にはあります。選手の皆さんにも、ぜひ武道空手の魅力を体現してほしいですね。
【緑健児(みどり・けんじ)】
昭和37(1962)年生まれ。鹿児島県奄美大島出身。国際空手道連盟極真会館に入門し、軽量級選手として活躍。165cm、70kgの体格ながら、日本代表選手として出場した第5回世界大会では軽量級選手として史上初の無差別級王者となった。現役引退後は故郷・奄美大島と福岡県で後進の指導に当たる。また組織活動にも精力的に努め、NPO法人全世界空手道連盟新極真会代表として、現在、世界94カ国の新極真会を統括。骨髄バンクチャリティーや献血など社会貢献にも力を注いでいる。
◆「国内無差別級最強」の称号をかけた「
第48回全日本空手道選手権大会
」が10月22日(土)・23日(日)、聖地・東京体育館で開催!
取材・文/育鵬社・山下徹
山下徹
⇒日刊SPA!PLUS 記事一覧に戻る
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート
この記者は、他にもこんな記事を書いています
空手は「寸止めか、フルコンか?」論争が勃発。フルコン“国内無差別級最強”決定戦を観に行ってみた
“寸止め”空手の五輪種目決定を“フルコンタクト”側はどう思っているのか? 伝説の極真元世界チャンピオンに聞く
ハッシュタグ
PLUS
インタビュー
オリンピック
東京五輪
格闘技
武道
空手
Tweet
日刊SPA!の人気連載
ゼロ恋愛 〜経験値ゼロから学ぶ恋愛講座〜/堺屋大地
ファストファッション、全部買ってみた
お笑い節約道場
貧困東大生・布施川天馬
腕時計投資家・斉藤由貴生
ベストサウナ ~流した汗は嘘をつかない~
絶対夢中★ゲーム&アプリ週報
モテの女神・関口美奈子
モテるデブには理由がある
連載一覧を見る
ハッシュタグ
PLUS
インタビュー
オリンピック
東京五輪
格闘技
武道
空手
Tweet
おすすめ記事
24時間更新
人気ランキング
不二家「ケーキ食べ放題」気づけば料金が3倍に…。店舗で“実食レポ”した本音
2024年03月16日
新入社員の“大荷物”で会社がパニックに!カバンに入っていた「まさかの中身」とは?
2024年03月15日
25歳・松葉ガニ漁師の月給は250万円。出勤日数は月に「たった9日」なのに、稼げ...
2024年03月14日
大手メーカーを早期退職した59歳男性「退職金4000万円上乗せ」も大後悔のワケ―...
2024年03月10日
ギリギリの車上生活をする非正規40代。24時間営業のジムに駐車、公園で洗濯――大...
2024年03月16日
新着記事
ネズミが大量発生した食べ放題店。ドリンクバーの裏で見た「ネズミの悲惨な姿」とは<漫画>
2024年03月19日
「中高時代はモテたのに、なぜか社会人になってモテなくなった男性」が見直すべき4つの原因
2024年03月19日
メンズアイドルが“自分を変えるきっかけになった”大学時代の失恋。「手をつなぎたい」彼女に対する驚きの行動とは
2024年03月19日
“激安焼肉食べ放題店”の元店員が語る「自分だったら絶対に注文しないメニュー」4選――仰天ニュース・大反響トップ10
2024年03月19日
飲食店で「実は歓迎されない」客の注文方法。メニューの“指差しオーダー”にイラッ――大人気記事トップ10
2024年03月19日
孤独のグルメ~食文化応援企画~
ビール2:黒ビール1。人気の『マルエフ』を「ワンサード」で飲んでみた!
2023年11月20日
PR
美味しいビールで酷暑を乗り切ろう!孤独のグルメ原作者が熊本の名店で『マルエフ』を味わう
2023年08月10日
PR
『孤独のグルメ』のオリジナル デジタルトレカがもらえる!「ひとり飯をみんなで楽しむプロジェクト」の第一弾がスタート!
2022年12月02日
HARBOR BUSINESS Online 一覧
サッカーW杯日朝平壌決戦の行方。カギは定期便と人的往来再開か
2024年03月06日
政治の犠牲になった能登地震<著述家・菅野完>
2024年02月09日
『レジリエンスの時代 再野生化する地球で、人類が生き抜くための大転換』 著者のジェレミー・リフキンさんに聞く
2024年02月01日
勝SPA!一覧
パチンコ新機能「ラッキートリガー」は低迷するパチンコ業界復活の救世主になれるのか
2024年03月17日
3連単190万円超え馬券の立役者も!予想に役立つ‟地味ウマジョッキー”を紹介
2024年03月16日
パチプロがSNSに投稿した「パチンコ攻略動画」が突然削除されてしまったワケ
2024年03月11日
はじめての副業一覧
”稼げない副業”に実は共通している特徴…「時間をかけてもムダ」とプロが警告
2024年02月10日
60代でも月2万~5万円稼げる“無理のない副業”。再雇用で減った給料を補塡
2024年02月06日
「汚ねぇな、出ていけ!」60代男性が目の当たりにした“シニア派遣の闇”。給料カットや交通費ゼロもザラ
2024年01月17日
募集
<扶桑社 採用情報>のお知らせ
2024年03月12日
女子SPA!、日刊SPA!の広告営業職を募集中です!
2023年12月26日
週刊SPA!編集部 編集者募集!
2023年03月08日
インフォメーション
『少年イン・ザ・フッド』8巻が本日発売! 帯コメント&巻末対談はラッパー界のラスボス・般若
2024年03月15日
【グラビア生会議】MC:岸明日香×ゲスト:川瀬もえ――“キレイなお姉さんの正統後継者”レースクイーンが登場! 撮影シチュエーションと衣装を皆で決めちゃおう
2024年03月14日
週刊SPA!最新号表紙は川栄李奈! 上田操、松平璃子がグラビア誌面で彩る
2024年03月13日
週刊SPA! 最新号
週刊SPA!3/19・26合併号(3/12発売)
川栄李奈
Amazonで購入する
定期購読する
バックナンバーはこちら
SPA! 最新の関連書籍一覧
少年イン・ザ・フッド8
ゴーマニズム宣言SPECIAL 日本人論
俺の夜、バカサイ_バナー枠
伝説の極真元世界チャンピオンに聞く! 伝統空手の五輪種目決定をフルコン側はどう思っているのか?(2)
フルコンタクト空手初、統一組織JFKOの誕生
約半世紀の歴史を持ち、全世界の老若男女、多くの愛好者がいるにもかかわらず、フルコンタクト空手がこれまで確立されたスポーツ競技として世間に認知されず、社会的な国民スポーツとしての地位を構築できなかったのは、流派が分散し、統括組織が設立されていなかったことが要因として考えられます。それがさらなる認知度アップの壁となっていました。 統一組織の待望論が高まる中、平成25(2013)年3月、フルコンタクト空手界初の全国組織である公益社団法人全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)が設立されました。「オリンピック」という共通の目標を旗印とすることで、国内219の流派・団体と、世界92力国が加盟する複数の国際団体が一体となり、かつてない大規模の大同団結が実現しました。JFKOは、(1)競技種目の確立、(2)社会認知の向上、(3)国際的な組織化を活動の三本柱とし、その先にある空手のオリンピック正式種目化を見据え、積極的な活動を続けています。 翌年の5月には、大阪市中央体育館でJFKO主催の第1 回全日本フルコンタクト空手道選手権大会を開催し、音楽家・長渕剛氏のサポートも受け、1万人収容の会場は超満員となり、このムーブメントの注目度が証明されました。フルコンのオリンピック競技化へ向けて
フルコンのオリンピック競技化を目指す旅は、まだ終わっていません。私たちはフルコンタクト空手が単独で国際オリンピック委員会(IOC)承認を勝ち得るため、その存在を国際スポーツ界にアピールしていくことを直近の使命ととらえています。設立当初219だったJFKO加盟団体は284にまで増え(28年10月現在)、27年7月には内閣府からフルコン唯一の公益牡団法人として認定されました。団体数で言うと、すでにフルコンの約70%の団体がJFKOに加盟していますが、それを100%に近づけていく流れをつくっていきたいと思います。大会では日本アンチ・ドーピング機構(JADA)のドーピングテストも導入しています。オリンピック競技を目指す上でも、ドーピングテストのある環境は選手たちの意識づけという面で重要だと思います。 そして今年、JFKOはNF(ナショナル・フェデレーション)元年をスローガンに掲げ、世界各国のフルコン連盟設立の活性化をサポートしていくことを決めました。そうした地道な活動を続け、各国での連盟づくりと並行し、世界組織の全世界フルコンタクト空手道連盟(WFKO)の立ち上げ準備も進めています。世界中のフルコンタクト空手団体に大同団結を呼びかけ、近い将来、WFKOによる全世界大会も開催する計画です。また、オリンピックへの前段階としてスポーツアコードへの加盟も目指します。WFKOの設立によって、その活動はより活性化されるでしょう。 これはオリンピックへの道であると同時に、フルコンの発展そのものに直結する活動でもあります。直接打撃制で打ち合うフルコンタクト空手は、お互いに痛みを理解し合い、勇気やあきらめない心といった精神的な強さを養うことのできる極めて武道性の高い競技であり、それが国内外を問わず老若男女に愛されている要因でしょう。志を同じくする仲間たちが世界中にいますから、これからも一丸となって前に向かって進んでいきたいと思います。「国内無差別級最強」の称号をかけた戦い
緑氏が第48回全日本空手道選手権大会の見所を語ってくれた。
空手の本分は武道の追求
日本のフルコンがまとまり、大会を重ねるごとに強大化していくことは、世界のフルコン界にも大きな刺激を与えていくはずです。そのためにもJFKOの選手たちには、観客の皆さんに感動を与える闘いを期待したいですし、フルコンの魅力を存分にアビールしてほしいと思います。フルコンの未来は選手たちがつくっていくのです。だからこそ、私たちは選手たちがやりがいのある舞台、チャンピオンであることに誇りを持てる大会づくりに全力を注いでいきたいと思っています。 一方で、常に忘れてはならないのが、新極真会の本分は武道の追求であるということです。もちろんフルコンタクト空手のオリンピック種目化も私たちの夢ですし、その活動は今後も続けていきます。ただ、それは空手のスポーツ的な側面であり、この世界大会を頂点とする「直接打撃」「素手素足」「体重無差別」の闘いこそが“武道空手”を標榜する私たちが守るべき中心軸です。 オリンピックを目指して競技を整備していくことも重要ですが、一方で武道空手をさらに発展させ、オリンピックに匹敵する規模とステータスを築いていくことも私たちの重大な使命です。サッカーのW杯もオリンピック以上に価値あるものとされています。そうなれば理想的ですし、そのくらいの潜在的なパワーはフルコンタクト空手界にはあります。選手の皆さんにも、ぜひ武道空手の魅力を体現してほしいですね。 【緑健児(みどり・けんじ)】 昭和37(1962)年生まれ。鹿児島県奄美大島出身。国際空手道連盟極真会館に入門し、軽量級選手として活躍。165cm、70kgの体格ながら、日本代表選手として出場した第5回世界大会では軽量級選手として史上初の無差別級王者となった。現役引退後は故郷・奄美大島と福岡県で後進の指導に当たる。また組織活動にも精力的に努め、NPO法人全世界空手道連盟新極真会代表として、現在、世界94カ国の新極真会を統括。骨髄バンクチャリティーや献血など社会貢献にも力を注いでいる。 ◆「国内無差別級最強」の称号をかけた「第48回全日本空手道選手権大会」が10月22日(土)・23日(日)、聖地・東京体育館で開催! 取材・文/育鵬社・山下徹空手は「寸止めか、フルコンか?」論争が勃発。フルコン“国内無差別級最強”決定戦を観に行ってみた
“寸止め”空手の五輪種目決定を“フルコンタクト”側はどう思っているのか? 伝説の極真元世界チャンピオンに聞く