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“寸止め”空手の五輪種目決定を“フルコンタクト”側はどう思っているのか? 伝説の極真元世界チャンピオンに聞く

空手が2020年東京オリンピック追加競技に決定!


 空手がついに五輪に――。2020年東京五輪の追加競技として、空手が初めて採用されることになった。そんなさなか今週22、23日に東京体育館にて「第48回全日本空手道選手権大会」が開催される。キャパ約1万の会場で開催される大々的な大会であるにも関わらず、この大会はオリンピックとはリンクしていない。今回、五輪で採用されたのは寸止めの組手や形を競ういわゆる「伝統空手」のみである。極真空手などで知られる「フルコンタクト空手」も五輪参加を目指していたが、残念ながら今回の競技にはフルコンタクトルールは採用されなかった。

緑健児氏

緑健児氏

 今週末に開催される「第48回全日本空手道選手権大会」は全世界空手道連盟新極真会が主催するフルコンタクトルールによる大会である。これだけの規模の大会を開催しながらオリンピックに参加できないことについて、今フルコンタクト空手側はどのように受け止めているのだろうか。そこで、本大会を主催するNPO法人全世界空手道連盟新極真会の代表理事であり、またフルコンタクト空手のオリンピック種目化に向けて活動されてきた、公益社団法人全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)理事長の緑健児氏にこの度、お話を伺うことができた。

 緑氏は極真空手の元世界チャンピオンで、現役時代は極真空手の世界大会で、アンディ・フグやフランシスコ・フィリオなどの強豪、また2mを越す巨漢海外勢が多数エントリーする中、軽量級選手として史上初の無差別級王者に輝いた実績を持つ。

「寸止め」と「フルコンタクト」、空手に存在する二つの競技


 空手には、大きく分けて二つのルールが存在しています。蓄積されたダメージで勝敗を競うフルコンタクトルールと、防具を着用して、指定された有効技の累積ポイントで勝者を決める世界空手連盟(WKF =World Karate Federation)ルールです。東京五輪ではWKFルールに基づいた、「寸止め」の組手競技と形競技が行われます。

 フルコンタクトとWKFは空手というルーツは同じでも、“当てる”“当てない”という考え方の面で出発点が異なります。やがてその幅は大きくなり、違う競技として世界に広まることとなりました。フルコンタクトも、今や世界100力国以上に普及し、国内20万、世界2000万人の競技人口を誇り、WKFに匹敵する競技人口を有しています。国際大会も頻繁に開催され、世界でWKFと同等の評価を得ていることは紛れもない事実です。

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レスリングにも2つのルールが存在

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