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JRの座席を巡る攻防戦…国会議員用グリーン席の謎を問い質す【コラムニスト木村和久】

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その100 ―

 今頃になって、東海道新幹線の指定席の切符の検札を廃止したニュースが入って来た。東北新幹線などのJR東日本管内は、大分昔に車内検札を廃止してますからね。現在は高性能なコンピューターが座席を管理しており、発車直前まで空き状況を把握し、キャンセルもスムーズにできるので、検札の必要性がないんですよ。

JRの座席を巡る攻防戦…国会議員用グリーン席の謎を問い質す【コラムニスト木村和久】 しかしながら、ソフト面では納得しえない部分が多々ある。旧国鉄の悪しき習慣や伝統を引き継いでいるのか、客への対応が遅れていたり、サービス意識が欠けている部分が、垣間見える。

 数年前のことだが、1年間山梨でラジオのレギュラー番組を持ってて、毎週新宿発の特急に乗ってた時期があった。水曜朝9時発のグリーン乗車券をもらうが、根が心配性ゆえ、1本早く8時半発の特急に乗っていた。平日の8時半の特急はガラガラで、9時発の特急の指定グリーン券を見せれば「一便速く乗ったのですね」と車掌さんは、にこやかに対応してくれた。「どこか空いてる席に座ってください」と言われたり「○番が空いてますから」と案内してもらい、実に親切だった。

 ところが50回ほどその乗り方をやって、たった1回だけ、旧国鉄色の強い車掌が現れ、押し問答が起きた。グリーン指定券を見せると「これは9時発なので、新たに指定を取るか、自由席に移ってもらうしかないです」という。「何言ってるの? こちらは正規料金を払って、グリーン車に乗ってるんだよ。しかも座席空いてるじゃん」と言うや「途中からお客様が乗ってこられるかも知れませんから、座席の指定はできません」という。「じゃ空いてる座席に座ればいいんでしょ」と言うや「それはできません。どこが空いてるか、把握できません」という。こっちもカチンと来たね。仕方ないので、伝家の宝刀を抜くことにした。「グリーン車は発車直前まで、国会議員用に4席空けてるはず。そこに座らせろよ」と言ったら、車掌は一瞬たじろいだ。「よく知ってますね」と言うではないか。それから続けざまに「毎週この乗り方をしてるけど、席をくれなかったのは、あなただけだよ。JRとしての正しい対応はどっちなの?」と詰め寄った。結局、原理原則主義者の車掌は「分かりました。どこか空いてる席に座って下さい」と、折れたのだ。

 建て前は指定された時間の列車に乗るべきだが、ビジネス客は、電車を待っている時間がもったいないので、早く駅に着いたら、電車を1~2本ずらしたがる。そういう時は、指定席を買い直すほどの時間もない。だから車内で処理してもらうしかない。民間企業なら、正規料金を払っている客の1本ずらしは、認めるべきと思う。そういう俗に言う「飛び込み」のビジネス客が多かった東海道新幹線も、座席の把握がスピーディにできるようになったからこそ、検札を廃止したのだし。

 ちなみにグリーン車の国会議員&VIP用の4席確保は、数年前まではあったと思う。多分今も、何らかの形であると思われるが、JRは正式に公表してないので、ないことになってるんでしょう。都市伝説にしておきましょうか。もし座席確保があるとしたら、セキュリティ上一番後ろの座席だ。混雑期の新幹線・在来特急のグリーン車で、不自然に後ろの座席が4席空いてたら、そう思っていいかも。ただ発車までには、その座席も売るので、本当にあるかどうかは、確認しづらいですけどね。

 一方列車座席のリクライングシートを巡る攻防も最近、激化している。以前、座席を傾けたら、後ろのおばさんが「倒さないで」と言ったからびっくり仰天だ。だって座席を倒せるリクライニングシートだよ。倒して当然でしょ。けど揉めたくないので、希望の角度の半分ぐらい倒して、相手も「これぐらいならいいです」と言ったので、そこは丸く収めた。

木村和久

木村和久

 アメリカでは、旅客機の座席前方には「空中権」があり、リクライニングシートは空中権の侵害と言ってる人がいる。通信販売じゃ「リクライニングシートの傾けストッパー」なるものまで売ってるから、ちょっと怖いです。アメリカの飛行機要注意です。席を倒してトラブルを起こし、殴られるのも嫌だし。日本でも断りを入れて席を倒し、自衛するかないですね。

■木村和久(きむらかずひさ)■
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦




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