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カルチャー番組の「東男に西女」というキャスティングとは?【コラムニスト木村和久】

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その102―  最近のテレビはBSを中心に、歴史や美術などのカルチャー系をよくみております。年末年始はお笑いよりも、勉強系ですか。そのカルチャー系番組の、欧米ロケと日本を含むアジアロケにおいて、明らかにキャスティングの差があり、ちょっと苦笑いしてます。欧米ロケのナビゲーターは、ビジュアル重視で知的美人が登場することが多いです。逆にアジアや国内ロケは理論&体験重視で、作家や研究家、あるいは体力重視の若手俳優、時間に余裕のある脇役俳優などが多数登場します。  具体的に言うと、まず欧米ロケの美人ナビゲーターといったら、松下奈緒と滝川クリステルですね。この2人は、ルックスも素晴らしいことながら、バイルンガルだったり、ピアニストだったりと、一芸に秀でてる部分があり、ゴージャスに見えます。番組の詳細はナレーションで済ませばいいわけで、美人が一流の芸術品に触れて、感嘆してもらえれば、企画は成立するのです。  松下奈緒がナビゲーターした芸術家は凄いですよ。メンデルスゾーン、アンデルセン、ショパン、ルノワール、ミュシャ、リスト、モネですから。ほかにオードリー・ヘップバーンとココ・シャネルもやってて絢爛豪華というか、海外に何回行ってるのよ状態です。  最近見た「光の画家モネと旅するセーヌ」は、主役のモネより松下奈緒が目立ち過ぎて笑いました。松下奈緒が有名美術館や、モネの水連の池などを訪ねますが、どこかに行くたんび衣装が違う。まるで松下奈緒のファッションショーのよう。個人的には松下奈緒は好きな方だから、それはそれで楽しめたけど。
『松下奈緒 光の画家モネと旅するセーヌ』BSフジHPより

『松下奈緒 光の画家モネと旅するセーヌ』BSフジHPより

 一方、滝川クリステルも、オリエント急行、ハワイ、イエローストーン、フィレンツェ、フェルメールと豪華さでは負けてません。最近見たのは「滝川クリステルのオランダ美術紀行~もう一人のフェルメール20世紀最大の贋作事件を追う!~」だけど、内容が素晴らしかった。天才贋作師「ハン・ファン・メーヘレン」の生涯を描いており、滝川クリステルのあまり出しゃばらない立ち位置に、好感が持てました。
BS朝日HPより「 滝川クリステルのオランダ美術紀行 もう一人のフェルメール 20世紀最大の贋作事件を追う!」

『滝川クリステルのオランダ美術紀行 もう一人のフェルメール 20世紀最大の贋作事件を追う!』BS朝日HPより

 両美人とも、あくまで受け身で、素直に専門家から話を聞く姿勢が、視聴者の共感を得ているのでしょう。目線が視聴者と同じか、ほんの少しだけ上が、丁度いいんですね。  一方、質実剛健のアジアロケで面白かったのは、片岡鶴太郎がナビゲートした「遥かなる満州、~ラストエンペラーが見た夢の彼方」です。片岡鶴太郎も、もはやマッチのモノマネはしないでしょう。今や画家であり、個性派俳優であるから、ナイスキャスティングだと思いました。  アジアや国内は、大和田兄弟に島田雅彦、関口知宏、火野正平など、渋いキャスティングのオンパレード。多くは肩にショルダーバッグぶら下げて登場しますが、あまり必要性を感じませんけど。そんななか「コウケンテツが行く、アジア旅ごはん」は、毎回感心させられます。料理研究家のコウさんが、アジアの庶民料理を食べ歩きますが、奇妙な食べ物が出ても、心から美味しそうに食べて、絶賛しまくり。実に嫌味がない。  美人が少ないアジア&国内ロケですが、密かに期待していた番組がありました。それは「ぶらぶら美術・博物館」に出ていたモデルの相沢沙世です。けど相沢沙世があまり喋らず、気を揉んでいたら、とうとう去年、レギュラーから降りてしまう。最近、元プロ野球選手と結婚したそうで、それはそれで、めでたしってことでしょう。  この美術番組、山田五郎がMCで、彼はさほど美人に甘くない。うまく絡んで良さを引き出せないかと、やきもきしてました。結局、相沢沙世は、借りて来た猫みたいな扱いで終わっている。非常に残念です。だったら松下奈緒みたいに、美術品をバックにサービスカットでも作り、ビジュアルを強調すれば良かったものの。
木村和久

木村和久

 求むアジア&国内の美人ナビゲーター、是非現地に飛んで、サソリでも食べて下さいって、そうなるとやはり、イモトアヤコの仕事になるんだよなあ~。 ■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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