――無意味なダンス、すごい動きですよね。どこで使えるのかまったくわからない(笑) べんぴ：これをどうしても入れたくって、僕は無意味ダンスのモーションをひとつひとつ書いて、アニメーターに見せたんです。そしたら「監督、これ使わなくないですか？」「いつ使うんですか？」って言われた(笑) ――正直、当然だと思います(笑) べんぴ：でも、僕はとにかくおもしろいから入れたかった。ただおもしろいっていうスタンプを誰かに送ってもいいんじゃないかと製作チームを説得したんです。相手がしょんぼりしてる時とか、会話が行き詰まっちゃった時とか、久しぶりに連絡したい時にまったく意味のないスタンプを送ってもいいんじゃないかと。 ――なんとか説得できたんですか。 べんぴ：説得して採用されました。それで、リリースしてしばらく経ったころ。どのスタンプがどれくらい使われているか把握できるデータを見せてもらったんです。そしたら…。 ――どうだったんですか？ べんぴねこ：僕が提案した「無意味ダンス」がランキング上位だったんですよ！ ――ただおもしろいだけのスタンプが使われていたんですね。 べんぴ：この時からパンパカパンツのスタンプには冒険の余地があるんだと強く思いました。10人いたら10通りの使い方があるスタンプを出してもいいんだって。 ――第一弾のインタビューでも話したチャレンジ枠ですよね。 べんぴ：そう、チャレンジ枠。送り手が「こういうスタンプの使い方があるよ」って提案してもいいし、受け手が誤解を含めてどう受け取ってもいい。そんな、どうとでも受け取れるおもしろさを提案していこうと思うようになりました。 ――チャレンジ枠がウケたことで、以後のシリーズでも一定の割合でそれが入るようになったんですね。 べんぴ：そうです。これはなかば「捨て」だけど、まあ…入れちゃえ！ってバリエーションに加えるようになった。「Choo Choo TRAIN」風ダンスもチャレンジ枠です。これも「このスタンプっていつ使うんですか？」ってよく聞かれるんですよ。そんなときは「いつでもいいじゃないか！」って答えてます(笑) ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1084219 ――たしかに、何の意味もないスタンプを誰かと送り合ったときを思い出してみると、その後に意味が生まれていることがあります。「なにこれ!?　おもしろい！買っちゃった！」ってそのスタンプを買う人もいました。「スタンプを買う」という行動が生まれた時点で、無意味なスタンプが十分意味を持ってしまっている。 べんぴ：そうそう。単純におもしろいからっていう理由だけでそのスタンプを持っていていいんですよ。