お金

こんなタイプがチャンスを逃す――連続投資小説「おかねのかみさま」

01:47 吉野家蒲田駅前店 「師匠!!!僕!師匠についてきます!!!ふつつかものですが!」 「…」 「…」 「…しょうがねぇなぁ…ウチの学校は。こんなヤツばっかりだ」 「ぐ…」 「だろ。そこで、『ぐ…』だろ。賢いヤツはそこで『ぐ…』じゃねぇんだ」 「ぐぬぬ…」 「それでもねぇよ。まぁいいや、ちょっとついてこい」 「はい!!!!」 「アリガトごザマしたーーーーマタお越しくださーーーーい」 トトトトトトトト 「師匠!どこ行くんですか!」 「ついてこい。この先にまだ開いてる店がある」 「はい!!!!」 ——— —— — 01:54 スナック 座礁 カランコロンカラーン♪ 「ふたり」 「あ!むらちゃん!ひさしぶりぃ!!!なによほんとひさしぶり!!!!」 「へへ、驚いた時の語彙の少なさは変わんねぇな。ママ」 「まま?」 「ママだ。こう見えてパパじゃねぇ」 「あ…はい…」 「ウフフ~♡どうしたのよー可愛い子連れてー」 「好きにしていいぞ」 「ほんと!?」 「いや、あの、ぼくは、そういう、えー」 「冗談だよ冗談。蒲田ジョーク」 「やだ。あたし本気なんだから。ちょうどいま心が乾いたところ♡」 「ぼ、ぼくどうしたらいいですか」 「やだこの子、あらゆるチャンスを逃してきたタイプね」 「!!!!!!」 「もうバレちまったか。まぁいいや。濃い酒1杯ずつ」 「はい♡」 「…」 「…」 「…あの…」 「なんだ」 「ぼく…チャンスをのがしてきたタイプって…なんで…わかったんですか」 「ん?あぁ、まぁ、そうだな、いろいろある。キョドってるところとか冗談を真に受けるところとか、トトトト歩くところとか、シャツがボーダーなところとか、そのシャツがちょっとズボンに入ってるところとか、人の話を聞くときに少し口が開いてるところとか、人を傷つけないことや失敗しないことだけ考えてるところとか、嘘がつけないところとか…」
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健「ボ…ボロボロじゃないですか」
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20_nikkan
逆境エブリデイ

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