こんなタイプがチャンスを逃す――連続投資小説「おかねのかみさま」
01:47 吉野家蒲田駅前店
健「師匠!!!僕!師匠についてきます!!!ふつつかものですが!」
村「…」
健「…」
村「…しょうがねぇなぁ…ウチの学校は。こんなヤツばっかりだ」
健「ぐ…」
村「だろ。そこで、『ぐ…』だろ。賢いヤツはそこで『ぐ…』じゃねぇんだ」
健「ぐぬぬ…」
村「それでもねぇよ。まぁいいや、ちょっとついてこい」
健「はい!!!!」
吉「アリガトごザマしたーーーーマタお越しくださーーーーい」
トトトトトトトト
健「師匠!どこ行くんですか!」
村「ついてこい。この先にまだ開いてる店がある」
健「はい!!!!」
———
——
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01:54 スナック 座礁
カランコロンカラーン♪
村「ふたり」
マ「あ!むらちゃん!ひさしぶりぃ!!!なによほんとひさしぶり!!!!」
村「へへ、驚いた時の語彙の少なさは変わんねぇな。ママ」
健「まま?」
村「ママだ。こう見えてパパじゃねぇ」
健「あ…はい…」
マ「ウフフ~♡どうしたのよー可愛い子連れてー」
村「好きにしていいぞ」
マ「ほんと!?」
健「いや、あの、ぼくは、そういう、えー」
村「冗談だよ冗談。蒲田ジョーク」
マ「やだ。あたし本気なんだから。ちょうどいま心が乾いたところ♡」
健「ぼ、ぼくどうしたらいいですか」
マ「やだこの子、あらゆるチャンスを逃してきたタイプね」
健「!!!!!!」
村「もうバレちまったか。まぁいいや。濃い酒1杯ずつ」
マ「はい♡」
健「…」
村「…」
健「…あの…」
村「なんだ」
健「ぼく…チャンスをのがしてきたタイプって…なんで…わかったんですか」
村「ん?あぁ、まぁ、そうだな、いろいろある。キョドってるところとか冗談を真に受けるところとか、トトトト歩くところとか、シャツがボーダーなところとか、そのシャツがちょっとズボンに入ってるところとか、人の話を聞くときに少し口が開いてるところとか、人を傷つけないことや失敗しないことだけ考えてるところとか、嘘がつけないところとか…」
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