こんなタイプがチャンスを逃す――連続投資小説「おかねのかみさま」
みなさまこんにゃちは大川です。
連続投資小説『おかねのかみさま』28回めです。
今回の原稿も六本木「SLOW PLAY」で書いてます。
じゃがりこ毎晩食べ放題です。
※⇒前回「予定」
〈登場人物紹介〉
健太(健) 平凡な大学生。神様に師事しながら世界の仕組みを学んでいる
神様(神) お金の世界の法則と矛盾に精通。B級グルメへの造詣も深い
死神(死) 浮き沈みの激しくなった人間のそばに現れる。謙虚かつ無邪気
美琴(美) 普通の幸せに憧れるAラン女子大生。死神の出現に不安を募らせる
美熟女(熟) 美琴が働き始めた銀座の高級クラブ「サーティンスフロア」のママ。
〈第28回 イイヤツ〉
美「…ごめんなさい。ウソついてて…」
熟「いいのよー♪なんとなくわかるもの」
美「わかるん…ですか?」
熟「ううん、内定の取り消しとかはわからないけど、誰にも言えないことを我慢している人は見てたらわかるの。私の仕事って、そういう誰にも言えないことを言わせないようにしながらリラックスさせてあげることだから、美琴ちゃんみたいに正直な子が悩んでたらすぐわかっちゃうのよ」
死「スゲー」
美「ありがとう…ございます…」
熟「でもね、わざわざ聞いたりしないのは、別にやさしさってわけじゃないの」
死「オ…?」
美「どうしてですか?」
熟「たいしたことじゃないからなの」
美「たいしたこと…じゃない…」
熟「そう。いままでの美琴ちゃんは順調に来たから、はじめて予定が狂ってびっくりしたかもしれないけど、予定ってね、必ず狂うものなの。みんな予定が狂わないようにがんばって生きてるけど、予定が狂わないように生きることのほうがほんとはずっと健康に悪いのよ」
美「けんこう…ですか…?」
熟「そう。健康。血圧とかそういうのじゃなくてね、楽しそうに笑ってたりすること。私の仕事は予定どおりに行くことのほうが少ないでしょ、でも予定って狂うもんだと思うようになったら『次はどんなことが起きるかなーっ』て楽しみになってきちゃうのよ♪」
死「ウツワデケェ…」
美「あたしに…そんなことできるんでしょうか」
熟「向き不向きもあるからねぇ…でも美琴ちゃんもせっかくスタートラインに立ったんだから、楽しめるうちはこの期間を楽しんでもいいんじゃないかしら。この仕事してたらほんっとにいろんな世界が見えるから、それから考えてもちっとも遅くないと思うわ♪」
美「…わかりました。もうひとつだけいいですか?」
熟「どうぞ♪」
美「あや…、東宮さんにちゃんと送ってもらってますかね…」
熟「どうかしらねー♪あの二人お似合いだし、東宮さんも優しい方だから心配はないと思うわよ。でもチューくらいしちゃうかしら♪」
死「キャー!!!」
美「…」
店「いろいろおまたせしましたー!」
死「ウェーイ!!!」
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