“ヌルヌル男”リック・ルードの性――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第101回
ウォリアーがホーガンからWWE世界ヘビー級王座を奪取すると、ビンスはルードを“第1コンデンダー”に指名した。「ウォリアーからフォール勝ちをスコアしたただひとりのレスラー」というのがビンスがひねり出したストーリーラインだった。ビンスはウォリアーの商品価値を高く評価していたが、プロレスラーとしての技量には限界があることを知っていた。
ウォリアー対ルードの定番マッチ第2ラウンドは、全米各地で予想以上の興行収益を記録し、この定番カードは“サマースラム90”(1990年8月27日=ペンシルベニア州フィラデルフィア)でクライマックスを迎えた。ルードはこの試合で上腕二頭筋断裂の負傷を負い、以後の全米ツアーを欠場した。
ルードは故障中のギャラの支払いを求めたが、ビンスはこれに応じなかった。WCWとの企業戦争が激化する1990年代後半まで、WWEは現在のようなベース年俸とインセンティブの合算式ではなく、ハウスショーの興行収益からの歩合制で選手にファイトマネーを支払っていた。ルードはビンスに“フ○○ク・ユー”といってWWEを出ていった。それはWWEがきわめて近い将来に直面する“激震の時代”の予兆だった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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