更新日:2017年11月27日 21:12
カーライフ

先代パッソが、アクセル全開でも加速するまで5秒近くもかかったのは「老人や主婦のため」だった

 ちょうど今から2年前、フェラーリ458イタリアとトヨタ・パッソによる異種格闘技戦を決行しましたが、誰も覚えてませんよね? こんなの比べてどーすんだ? と言われましたが、世界初の対決でした(たぶん最後?)。そんな思い出のパッソがフルモデルチェンジ! 再びイタ車(今度の相手は等身大?)と比較してみました。 パッソMJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

老人や主婦向け車のアクセルには、なんと振り込め詐欺防止装置が付いていました!

 我らSPA!オートクラブスタッフの精鋭にとって、トヨタ・パッソは思い出深いクルマだ。なにしろ一昨年、フェラーリ458イタリアと比較のため、ともに鳥海山まで遠征したのであるから。  当時先代パッソは、トヨタ渾身の「ガソリンエンジンとして世界最高クラスの熱効率37%」を誇る3気筒1000ccエンジンを搭載していた。我々はこれぞトヨタ・ガソリンエンジン技術の真骨頂と考え、もう一方の究極のガソリンエンジンであるフェラーリのV8・4500ccとの比較を試みたのだ。  結果は悲惨であった。フェラーリは速すぎて時速100㎞をキープするのが非常に困難だったが、パッソは逆に遅すぎて、アクセルを床まで踏み込んでも加速し始めるのに5秒くらいかかった。あまりにも加速が悪いため、フェラーリと同行するにはアクセル全開の嵐とならざるを得ず、燃費もリッター16㎞台に低迷したのであった。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1120810
パッソ

関越自動車道で新潟県に入り日本海沿岸を北上し秋田と山形の県境に位置する鳥海山まで2台でランデブー。フェラーリの長距離走行は疲れるのでパッソに癒されました

 しかしそれでも、水色のパッソと走った日本海沿岸は美しい思い出だ。まさか大トヨタの真骨頂があんな劣等生だなんてちょっとカワイイじゃないか! 見た目も最高にダサくて垢抜けず、100%憎めない100均のサンダルのようなクルマであった。  そのパッソがフルモデルチェンジした。今回はトヨタではなく子会社のダイハツが全面的に開発を担当し、軽自動車づくりのノウハウを小型車に投入したそうだ。  つっても実は先代パッソも実際に開発したのはダイハツ。そんなに変わらんだろうと一切期待せずに試乗したところ、度肝を抜かれた。
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意外とイイ!新型パッソ
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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