秘密基地に眠っていたマツダ最後のロータリーRX-8。10年ぶりに乗ったら思わず魂を揺さぶられました
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
『よろしくメカドック』の那智渡(ロータリー使い)が好きな本誌担当Kですが、実はロータリーのクルマに乗ったことがありません。そんなとき、マツダの秘密基地に生産中止のロータリーエンジン車が今もあると聞き借り出したところ、あまりの気持ちよさに感動! どうせ興味ないと思って乗せてみたら、先生も感動してくれました。
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
マツダの評価が恐ろしく高い。先日は新型ロードスターが世界カー・オブ・ザ・イヤーで大賞とデザイン賞をダブル受賞。いまやマツダこそが日本のものづくりを象徴する企業と言っていい。
その核となっているのが、優れたデザインと革新的なエンジン技術だ。マツダ・テクノロジーのキモは「スカイアクティブ」。「スカイアクティブ・ディーゼル」は排ガス後処理なしに世界の環境基準をクリアし、「スカイアクティブ・ガソリン」はターボなしに適度なパワーと低燃費を実現している。
マツダの技術と言えば、かつては「ロータリーエンジン」がその象徴として君臨していた。しかしロータリーには致命的な欠点がある。排ガスクリーン化が極めて難しく、燃費も極悪なのである。
どれくらい極悪かと言うと、例えばロータリーターボ搭載のRX-7は、真剣な話フェラーリより燃費が悪かった。それを改良して自然吸気化したRX-8は、「燃費3割向上!」を謳ったが、3割アップでもフェラーリよりちょびっといい程度であった。私のフェラーリと比較テストしたので間違いない。
そのため販売は徐々に低迷。排ガス基準もクリアできなくなり、’12年を持ってRX-8は生産終了となったのだった。
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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