更新日:2022年07月10日 10:59
スポーツ

ホーガンとウォリアーのビミョーな距離――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第102回

 第2試合ではWWEと契約したばかりの新顔“テキサス・トルネード”ケリー・フォン・エリックが“ミスター・パーフェクト”カート・ヘニングを倒してインターコンチネンタル王座を獲得。第5試合では“ヒットマン”ブレット・ハート&ジム・ナイドハートのハート・ファウンデーションがデモリッション(クラッシュ&スマッシュ)を下しWWE世界タッグ王座を奪取。90年代のスーパースターズの台頭を予感させた。  ホーガン対アースクェイクのシングルマッチは、ホーガン側にビッグ・ボスマン、アースクェイク側にはディノ・ブラボーと悪党マネジャーのジミー・ハートがそれぞれセコンドにつき、因縁ドラマらしいムードを演出した。  試合は、ホーガンがアースクェイクの超巨体をボディースラムで場外の実況テーブルにたたきつけてカウントアウト勝ち。3カウントのピンフォールによる完全決着でなかったところがこのふたりの闘いがto be continuedであることを暗示していた。  ウォリアー対ルードのWWE世界ヘビー級選手権“ケージ・マッチ”は、10分弱のファイトタイムでウォリアーが場外エスケープに成功して王座防衛。ルードとの定番カードにいちおうの終止符を打った。  ホーガン対アースクェイク、ウォリアー対ルードのシングルマッチ2試合はいずれもそれなりに時間をかけてプロデュースされた長編ドラマのクライマックスだったが、観客のほとんどはやはりホーガンのカムバック戦をこの日のメインイベントととらえていた。
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“チャンピオンベルトを超えた存在”
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