――6月22日に発売されたニューシングルのリード曲『魔物、BOM-BA-YE ～魂ノ覚醒編～』は、念願だったというヒャダイン（前山田健一）さんによる作曲ですね。 成田：ヒャダインさんには、5年くらい前から何度かオファーしていたのが、今回ようやく実現したんです。当時発注しようと思っていたメモを引っぱり出してきて、どこからどう聞いてもヒャダインさんの曲だってわかるくらい、前山田健一サウンドを詰め込んでもらいました。 塚本：とにかくいろんな曲調が入っているので、自分でも普段なかなか出すことのない発声や歌い方の引き出しをたくさん使っていますね。 チャン：そこは成田さんに鍛えられましたよね。成田さんがこうやってほしいと提案するときは、「この漫画のあのキャラ、あのシーンみたいに」って言うんですよ。説明が足りないから最初は何のことかわからなかったけど（笑）、成田さんには思い描いている理想というのが必ずあって、頭の中にやりたいことのイメージがすでにあるんだってことがだんだんわかってきました。 塚本：そういえば、2ndシングル『東京妄想フォーエバーヤング』のMV撮影の前日も、いきなり「ガンダムのララァとアムロのシーンを見てきて」と言われて、それがなんの予習になるのかわからないまま、表情や雰囲気を繰り返し見たりしたよね。成田さんは、普通の人より脳内HDDの容量が大きいからいろんなカルチャーが貯えられていて、そんな彼の“どきめきライブ・ラリ”の中身を具現化して、私たちが表現している感じです。 成田：決して思いつきで適当なことを言っているわけじゃないんですよ（笑）。これまで感動したり面白いと思ったものの蓄積があって、適材適所で考えているので。でも、そこに言わなくても気付いてくれて、一緒に同じ絵を描いてくれるのは、このメンバーが初めてですね。 チャン：それから、今回のシングルのもう一曲『バイバイトレイン』は、みんなが憧れるような青春を歌った正統派のロック。私が歌うパートが多いので、これを聞いた人が自分の青春を思い出して切なくなったり熱くなったりしてくれるように、全身全霊で叫ぶつもりで歌っています。 成田：打ち込みのジェットコースターみたいなサウンドと、ストレートなロックという両極端な音楽をひとつのユニットで表現できるというのは、俺がずっと「夏の魔物」でやりたかったこと。そういう意味で、今回のシングルはこの5人でできるひとつの集大成になったなと思ってます。すごい意味深なこと言ってますけど（笑）。 　ロックやアイドル、プロレスに特撮ヒーロー、漫画、ゲームなど、あらゆるカルチャーを越境し、融合させる「夏の魔物」の活動は、言葉ではなかなか説明しづらい。そのせいで、これまで「何がしたいのかわからない」とさんざん言われ続けてきた。しかし、成田大致の脳内を具現化してくれる仲間を得て、今ようやく「夏の魔物」は本領を発揮しはじめたと言えるだろう。 　日本のカルチャーシーンの未来を大いにかき回すであろう彼らの真髄は、ぜひライブで確認してほしい。 ⇒【MV】「バイバイトレイン」（https://youtu.be/wcFlfD2PI8A） http://youtu.be/wcFlfD2PI8A 取材・文／福田フクスケ　撮影／スギゾー 【成田大致】 ’06年から「AOMORI ROCK FESTIVAL～夏の魔物～」を主催し、ホストユニット「夏の魔物」ではメインボーカル担当。楽曲制作におけるプロデューサーとしても活躍する。 【ケンドー・チャン】 いずこねこ、プラニメとしての活動を経て、現在は「ミズタマリ」名義でソロ活動。「夏の魔物」ではボーカル、ダンスを担当。高い身体能力でも観客を魅了する。 【塚本舞】 「夏の魔物」ではボーカル、ダンスを担当。持ち前のハイトーンボイスでユニットに貢献する。グラビアアイドルとしても活動中。 ●3rdシングル「魔物、BOM-BA-YE ～魂ノ覚醒編～／バイバイトレイン」発売中 ＜ライブ情報＞ 「夏の魔物現象2016」メジャー3rdシングルレコ発ワンマンGIG 第一部 : ブラックDPG LAST DANCE ～破滅に向かって～ 第二部 : ～MAMONO BOM-BA-YE 2016～ 2016年6月24日（金）＠新宿FACE 時間：開場19:00／開演19:30 出演：夏の魔物、ブラックDPG スペシャルゲスト：伊藤賢治 その他のライブ情報は公式サイトで http://natsunomamono.com/dpg/ ●2016年10月01日（土）AOMORI ROCK FESTIVAL’16～夏の魔物～10周年記念大会　＠青森県東津軽郡平内町夜越山スキー場 http://natsunomamono.com/