“レッスルマニア10”ラダー・マッチ――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第151回
18分47秒におよぶノンストップ・アクションがいったいどんな試合であったかを知るには当時の試合映像を検証してみるのがいちばんてっとりばやい。基本的な状況設定はラモンがインターコンチネンタル王者で、マイケルズは“にせのチャンピオンベルト”を腰に巻いたもうひとりのインターコンチネンタル王者。どちらがホンモノのチャンピオンかを決めるため、アリーナの天井からベルトをぶら下げた“ベルト捕獲式”のラダー・マッチが考案された。
近年、“レッスルマニア”の定番カードとしておこなわれている“マネー・イン・ザ・バンク”ラダー・マッチのモチーフがこのラモン対マイケルズの“ベルト捕獲式”ラダー・マッチであることはいうまでもない。
マイケルズ、ラモン、ディーゼルに123・キッド(ショーン・ウォルトマン)を加えた“4人組”は、ちょうどこのころクリック=派閥と呼ばれるグループを結成した。クリックはWWEの連続ドラマのストーリー上のヒール軍団ではなくて、バックステージの“政治的派閥”であり、プライベートでの友だち=運命共同体だった。
ブレットがビンス・マクマホンとの緊張関係のなかで段階的にポスト・ホーガン体制の実権を握っていったたように、マイケルズもまたクリックのリーダーとしてWWE内部でその発言力を強めつつあった。ブレットとマイケルズの“暗闘時代”はこうして幕を開けた――。 (つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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