ショーン派閥“クリックKliq”出現――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第183回(1995年編)
月曜の“ロウ”(生中継)と火曜の“スマックダウン・ライブ”(生中継)の2日間のTVテーピングが毎週おこなわれる現在の番組制作シフトと比較すると、1990年代のWWEのTVショーはずいぶんとのんびりしたペースで連続ドラマが進行していた。
世界じゅうのどこからでもインターネットにアクセスできる時代がやって来るのはまだ数年後のことで、1995年にはWWEオフィシャルウェブサイトはまだ存在していなかったし、パソコンやタブレットやスマートフォンの画面で動画がリアルタイム観られる、という発想もテクノロジーもまだなかった。
WWEのドレッシングルームに“クリックKliq”なるグループが出現したのはちょうどこのころだった。クリックの語源はそのものずばり、派閥を意味するクリックcliqueという単語。TVショーの画面に映っている連続ドラマのストーリー上の“軍団”ではなくて、全米ツアー中の移動から滞在先のホテル、試合会場のバックステージでもつねに行動をともにする運命共同体のようなグループだった。
クリックのオリジナル・メンバーはショーン・マイケルズ、ディーゼル(ケビン・ナッシュ)、レーザー・ラモン(スコット・ホール)、123キッド(ショーン・ウォルトマン)の4人。その後、このグループに新顔のハンター・ハースト・ヘルムスルリー(ポール・レベック=現在のトリプルH)が加わった。
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