お金

インドネシアで脱サラ起業した日本人。エステは大成功も、たこ焼き屋は失敗したワケ

インドネシアで失敗しやすいビジネスは…

 このように、インドネシアの急激な先進国化に合せてビジネスを拡大してきた室野氏だが、失敗も少なくなかったという。美容と健康が見込みが大きい市場だとすれば、逆にリスクの高いビジネスは何なのか。彼にこれまで失敗したビジネスを聞いてみた。 ■失敗1:たこ焼き屋 「1パック200円で販売していました。秘密のソースを作って現地の従業員に味を盗まれないように工夫したのですが、後にバイトがソースを水と混ぜてお客さんに出していたことが発覚。マネジメントの難しさを痛感しました」 ■失敗2:高級かき氷屋 「東京で高級かき氷が流行っていたので、ジャカルタの富裕層にウケると予想。東京でいう伊勢丹のような『プラザインドネシア』というショッピングモールで一杯600円(インドネシアの屋台では30円)という強気の値段で出店するも、思ったほどお客さんが来ませんでした。原因の一つはモール内のクーラーが効きすぎていたことです■失敗3:いちご栽培 「私がインドネシアに来たとき、インドネシア人はいちごに砂糖をかけて食べていたんです。不思議に思い、糖度計で測ったところ、糖度は8%でした。日本のいちごは糖度12~13%なので、インドネシアのいちごは甘さが足りない。そこで、鹿児島のいちご農家に協力してもらい、インドネシアでいちごの苗を作ったところ、糖度11%のいちごの生産に成功したんです。  それでインドネシアの農家と契約して栽培を開始したのですが、なぜか収穫時期になったら生産量が少ない。不思議に思い、依頼していた農家を追求したところ、あまりにも美味すぎて食べちゃってた(笑)。最初は『ねずみに食われた』と嘘をつかれていましたが…」  このように、ビジネスが軌道に乗るまでは数多くの失敗をしてきた室野氏。彼の経験をもとにインドネシアでビジネスを始める上でのコツをまとめると以下のようになる。 【失敗しやすい】 ・裁量権がバイトに多いビジネス ・技術や知識が盗まれるリスクのあるビジネス 【成功しやすい】 ・富が集中する華僑or富裕層インドネシア人をターゲットにする ・先進国化に伴う美容意識、ダイエット意識の高まりに合わせたビジネス ・駐在日本人をターゲットにする ・東京orシンガポールで流行ったものをローカライズして真似る 「金もコネもなかった元サラリーマンの私でも成功できたので、ジャカルタで一念発起したい人は思い切って移住してみてほしいですね。海外に住む中国系移民の国別ランキングでは、インドネシアが1位です。こっち(インドネシア)はベンチャーに出資してくれるパートナーを見つけられるエキスポも頻繁に開催されていますから、脱サラ後のチャレンジを応援してくれる人もたくさんいます」 【室野秀】 1986年生まれ。明治学院大学卒業後、人材派遣や広告の営業職を経てインドネシアで起業。インドネシア在住歴5年。
●ホームページ http://murono.jp/ <取材・文/日刊SPA!取材班>
1
2
3
おすすめ記事