“NFLの大物”LTとビガロの選択――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第188回(1995年編)
いわゆるスポーツ・セレブリティーの一夜限りのプロレス体験の対戦相手としてビンスが指名したのは、こういう役どころを演じさせたら右に出る者はいないといわれる“仕事人”ビガロだった。LTのファイトマネーは100万ドル超とウワサされたが、じつはビガロのギャラもLTと同額だったとされる。“レッスルマニア”のメインでLTと対戦することでビガロの一般的知名度もかなりアップしたことは事実だった。
LTはセコンドとしてケン・ノートンJr(元サンフランシスコ・49ナーズ)、カール・バンクス(元ジャイアンツ)、リッキー・ジャクソン(元49ナーズ)、スティーブ・マクマイケル(元シカゴ・ベアーズ)、レジー・ホワイト(元グリーンベイ・パッカーズ)、クリス・スピールマン(元デトロイト・ライオンズ)といったNFLプレーヤーたちをリングサイドに連れてきた。やや蛇足になるが、このなかでS・マクマイケルだけが翌1996年、WCWで本格的にプロレス転向を果たした。
ビガロのセコンドにはマネジャー役の“ミリオンダラー・マン”テッド・デビアス、アーウィン・R・シャイスター(マイク・ロトンド)、キングコング・バンディ、タタンカらがつき、NFL軍団とミリオンダラー軍団のリングサイドでの番外編の乱闘シーンがこの試合のひとつのスパイスになっていた。
LTがトライしたプロレス技はジャックナイフ式パワーボム、フライング・ショルダーブロック、ランニング・エルボーといったところだった。ビガロのトップロープからのダイビング・ヘッドバットをLTがタイミングよくカウント2でキックアウトしたシーンに1万5000人の観客から自然発生的な拍手が起きた。
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