更新日:2022年07月28日 17:45
スポーツ

メドゥーサがプロデュースした“ちいさな反乱”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第199回(1995年編)

 WWEのPPV(生中継)の試合は、時間的な制約がひじょうに大きい。1本めは試合開始のゴングから1分42秒、ブレイズがジャーマン・スープレックス・ホールドで飛鳥から3カウントを奪った。2本めは2分16秒、アジャがバックドロップ一発で長谷川をフォール。3本めも0分27秒、セカンドロープからのフライング・ボディープレスでアジャがチャパリータをフォールした。チャパリータのスカイツイスター・プレスがほんの数秒間ではあるがアメリカの観客をあっと驚かせた。  4本めは0分37秒、またしてもアジャがコーナーからのフライング・ボディープレスで京子をフォールした。プロレスの技術では(この時点では)まちがいなく世界のトップレベルにあった京子がそのテクニックの片りんすらみせることなくいきなり“退場”してしまったことは、京子本人にとっても、アメリカのPPV視聴者=プロレスファンにとっても、またこの試合をバックステージから観察していたWWE首脳陣や選手たちにとってもたいへん残念な結果だった。  リング上はフェイ&アジャ&渡辺対ブレイズの3対1のハンディキャップ・マッチ的なシチュエーションになった。  5本めは1分28秒、パイルドライバーからブレイズが渡辺をフォールし、6本めも0分41秒、ブレイズが超巨漢のファイをジャーマン・スープレックスで投げて3カウントを奪った。  ファイナル・フォールの7本めは、2分50秒、アジャが裏拳でブレイズをフォール。試合終了のゴングが鳴ると、アジャが観客に向かって舌を出しながら両手を腰にあてて「チャンピオンベルトを奪うぞ」というゼスチャーをしてみせた。
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10分弱というファイトタイムは、あまりにも短かすぎた
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