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一人の女のために「人狼オフ会」が崩壊…なぜクラッシュを防げなかったのか【サークルクラッシュ事件ファイル②】

2013年1月20日(日) 「本日はお集まりいただきありがとうございます。では早速始めようと思うんですが……」  公民館に14人ほどの人数が集まっていた。女性参加者が少ない中、そこに加奈子はいた。年齢層も下は高校生、上は30代と、バラバラだった。人狼ゲーム自体は何回か行われ、その後、夜になって何人かでご飯に行くことに。  加奈子は人狼ゲーム中によく喋っていた足立に話しかける。 「スタンドさん(足立のハンドルネーム)、すごい上手かったです! 私、最後のゲーム完全に騙されちゃって……」 「まあそりゃあ、長いことやってるから。潜伏してる以上はとにかく喋りまくるしかないと思ってさ。っていうか、アルファさんの占い騙りが一番ヤバかったっしょ」  ……その日は特に事件が起こることもなく、オフ会参加者たちは親交を深めた。ただ、加奈子は何人かとLINEを交換していた。  加奈子は、彼氏の仲元も知らない裏のTwitterアカウント(裏垢)を持っていた。そして、そのアカウントで人狼ゲームのオフ会参加者だった足立のアカウントをフォローした。  加奈子は表のアカウントでは日常のことやオタク趣味のことなどをツイートしていたが、裏垢では「寂しい」、「どうせ私なんて」などといった「構って欲しい」というメッセージが込められたツイートが散見された。また、「ブス」などと自虐しながら、頻繁に自撮り画像をアップロードしていた。それらの自撮りには肌の露出が多かったり、胸が強調されているものもあった。  足立はそんな加奈子のアカウントの様子を見て、ツイートをお気に入りにしたり、リプライを飛ばしたりはしていた。もっとも、足立は「誰か一緒にご飯食べよ」といった加奈子のツイートに対して、「一緒に食べよう」と連絡するようなことはしなかった。  一方、オフ会に来ていた小田嶋という男もまた加奈子とLINE交換をしていた。そして、足立のアカウントを辿って加奈子の裏垢にもフォロー申請をしていたのだ。加奈子はついついフォロー申請を通してしまったが、それによって小田嶋は加奈子が”構ってツイート”をするたびに「一緒にご飯食べない?」 「寂しいんだったら通話でもしない?」……などとLINEを送っていた。小田嶋は良いと思った女性が現れると誰彼かまわずアタックし、相手の事情を考えないタイプだったのだ。加奈子は小田嶋に対して最初は優しくしていたが、小田嶋からくるLINEの頻度が増えるにつれて辟易していった。
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2013年2月16日(土)
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