ストーンコールド“AUSTIN3:16”生誕!――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第229回(1996年編)
この日のラインナップは①ストーンコールド対マーク・メロ=トーナメント準決勝②ジェイク・ロバーツ対ベイダー=トーナメント準決勝③スモーキング・ガンズ(ビリー&バート・ガン)対ガドウィンズ(ヘンリー&フィニアス・ガドウィン)のWWE世界タッグ選手権④アルティメット・ウォリアー対ジェリー“ザ・キング”ローラー⑤アンダーテイカー対マンカインド(ミック・フォーリー)⑥アーメッド・ジョンソン対ゴールダストのインターコンチネンタル選手権⑦ストーンコールド対J・ロバーツ=トーナメント決勝戦⑧ショーン対デイビーボーイ・スミスのWWE世界ヘビー級選手権試合の全8試合。
イベント名でもある“キング・オブ・ザ・リング”は1993年の第1回大会から数えて4回めの開催となったシングルのトーナメント戦(1回戦と2回戦は“マンデーナイト・ロウ”のTVマッチで消化)で、PPV放映ワクでは準決勝2試合と決勝戦の計3試合がラインナップされた。
ストーンコールドとJ・ロバーツはこの日の第1試合と第2試合でそれぞれM・メロ、ベイダーを下しトーナメント決勝戦に進出。J・ロバーツは、ベイダーとの試合でろっ骨を負傷し、ダメージを抱えたまま2試合めにのぞむというベビーフェースらしい“設定”を演じた。
この時点でのストーンコールドのポジションは“売り出し中の大型ヒール”といったところだったが、WWEスーパースターとしてのステータスでは“ヘビ男”J・ロバーツのほうがまだ一枚上だった。
1980年代に“怪奇派”として一世を風びしたJ・ロバーツは、1992年にWWEを退団後、ドラッグ依存症だった過去をカミングアウト。キリスト教の牧師になるための勉強をつづけ、“新しい自分”を発見して約4年ぶりに現役復帰を果たしたばかりだった。ストーンコールドが“3章16節”という聖書のなかの一節を連想させるようなフレーズを用いたのは、ボーン・アゲイン・クリスチャンになったロバーツに対する皮肉で、それはどちらかといえば出まかせに近いアドリブだった。
ストーンコールド対J・ロバーツの“キング・オブ・ザ・リング”トーナメント決勝戦はU・ウォリアー、アンダーテイカーら超大物のシングルマッチよりもカード編成上、ワンランク上にレイアウトされていた。
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