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少子高齢化で起こる「墓余り現象」…もっとも現実的な実家のお墓の片付け方は?

お墓はなぜ買うことができないのか

 あれはお墓の“使用権”を買っているのです。自宅を買うときのように土地ごと買い取ったわけではなく、マンションを買うイメージに近いのです。しかもこの権利を転売することはできません。  このように色々な困難を乗り越えて、もし無事にお墓の引越しが成功したとしても、今度は自分の子供が将来、同じことで困る可能性がありますよね。 お墓がある限り、この連鎖は続いていくのです。  では、どうすればいいのでしょうか? 新しく購入する墓地を永代供養墓にしてしまうという方法があります。  これは代々お墓を引き継いでいくのではなく、例えばある夫婦が2人とも亡くなったら、家別のお墓をやめて、遺骨を他の方のと一緒に混ぜてしまうことによって、後々、誰も管理を引き継がなくてよいという墓地のことです。少子化や未婚率の上昇を受けて、永代供養墓を持つお寺が増えています。費用も数十万と安いのが特徴です。  もう一つは遺骨を全てパウダー状にして海に撒いてしまう散骨という方法があります。一緒に船に乗りこむなら25万円くらいかかってしまいますが、業者に委託すると一体、5万~10万円くらいで行えます。  ただし、どちらにしても自分の親や先祖の遺骨を手放すことが、すんなりとできるかどうか……。そこまでドライにはなりきれないということで、私のように問題を先送りしてしまっている人が多いのが現実です。 <文/赤城啓昭> 【赤城啓昭】 葬儀社に15年以上勤務し、業界内部を知り尽くしたその道のプロ。業務内容はお葬式の担当と葬儀・葬儀業界の分析。Twitterアカウントは@kangaerusougiya。「ライブドアブログ OF THE YEAR 2015」にも選ばれ、月間45万PVを突破した「考える葬儀屋さんのブログ」も日々更新中
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