大本命は「銀シャリ」か? 今夜決着「M-1」をユウキロックが徹底解説
決勝初進出の2人はツッコミ担当の「男前」山添君とボケ担当の「ちょうどいい感じのブス」山崎さんの男女コンビ。男女の恋愛、それにおける女性の心理を様々な角度で例えたりしながらボケる山崎さん。その理論はまるで「山崎教」と名乗ってもいいほどの説得力がある。しかし、そこに至る過程に山添君の巧みな技術があることを忘れてはならない。よく観察すると、このコンビも異質な部類だと思うが、前の出番がそれ以上に異質な「カミナリ」であり、認知もされつつある「相席スタート」は若干不利な面は否めない。そして、スロースタートなコンビ。だからこそ、過去に類のない「説法」で山崎さんは客席にいる女子のハートを居抜き、山添君は客席にいる男子の代弁者となって「アキナ」と「カミナリ」を脳裏から消し去るしかない。
④銀シャリ
3大会連続3回目の決勝進出、前回大会準優勝。今大会優勝候補の一角である。ボケ担当鰻君とツッコミ担当橋本君は、揃いの青いジャケットに身を包み「昭和の漫才師」のような雰囲気を醸し出しているが、実際の漫才スタイルはまさに平成の流行りのスタイルであるツッコミが目立ち笑いを取る漫才だ。橋本君から溢れるツッコミの表現力は秀逸であり、それが「銀シャリ」のすべてといっても過言ではない。ただそれだけに「銀シャリ」の喋る比率はだいたい「ツッコミ8:ボケ2」となる。これが逆であるならばテンポが作りやすいが、ツッコミというネタにストップを掛ける側が「8」なので、どうしてもテンポが平坦になり、山場を作りづらい。しかし、前回大会、二人であわせ技をすることによりうまく山場を作り、準優勝。今回、ネタ順も4番という好位置であり、それまでのコンビはいずれも初出場組。緊張から本領を発揮できなければ、観客の渇望感から爆発することは想像に難くない。やはり大本命である。
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子』
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『芸人迷子』 島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。 |
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