更新日:2022年08月14日 11:31
エンタメ

大本命は「銀シャリ」か? 今夜決着「M-1」をユウキロックが徹底解説

⑦スーパーマラドーナ
スーパーマラドーナ

スーパーマラドーナ(2003年結成/よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)

 2大会連続2回目。ひ弱そうなボケ担当田中君とヤンキーのようなツッコミ担当武智君によるコンビである。田中君がある出来事を再現し、それに武智君がツッコむという手法であり、スタンダードな漫才ではあるが、「種まき」が非常にうまいコンビだ。「種まき」とはネタ振りのことであるが、そのネタ振りを序盤に放ち、後半、「ここぞ」という時にボケて大きな笑いを作る。観客に序盤のネタ振りを忘れられても、しっかり覚えられていても、大きな笑いにはならない。だから要所で武智君がもう一度振りのための台詞を挟み込む。それが絶妙なタイミングであり、ネタの構成力も素晴らしい。「スリムクラブ」と「ハライチ」が爆発したらスタンダードな分、不利な得点になるかもしれないが、安定感では上。そこまで低い点数を出すコンビでもない。出番順も加味すれば、最終決戦3組には残る可能性は高いのではないかと予想する。 ⑧さらば青春の光
さらば青春の光

さらば青春の光(2008年結成/ザ・森東所属)

 「キングオブコント」に4度決勝進出している森田君と東口君からなる「さらば青春の光」ではあるが、「M-1」に関しては今回が初の決勝進出となる。どちらかといえば、コントを主戦場にしている彼らのネタの切り口は、漫才というよりも「立ち話のようなコント」である。だからボケ、ツッコミという区分けは明確にない。しかし、彼らの立ち話は人間の心理、心情をうまくとらえて、観客のハートを突き刺し、爆笑を誘うのだ。ネタ作りを担当する森田君は、絶対性格が悪いと想像する。性格が悪いからこそ、ここまで人間を理解できて、その部分をネタにして晒すことができるのだ。森田君は「悪魔に魂を売った天才」である。芸人ならば誰もが認める2人だが、審査員が「自分を投影して」審査をするならば評価は分かれるかもしれない。「認めたくない」という審査員がいる恐れもあるが、それを跳ね返すだけの力はある。
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敗者復活枠はどうなるのか?
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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