大本命は「銀シャリ」か? 今夜決着「M-1」をユウキロックが徹底解説
今、一番面白いコンビを決定する漫才頂上決戦「M-1グランプリ2016」がいよいよ本日、決勝を迎える。すでに決勝進出を決めている8組に加えて、14時30分より開催される敗者復活選を勝ち上がる1組の合計9組のうち、栄光を掴むコンビはいったい? 「第1回M-1グランプリ」準優勝にして、現在はその「M-1」評が業界内外から注目されるユウキロックに各コンビの見どころを解説してもらった。自身の「M-1」挑戦からその後のコンビ解散までを綴った自叙伝『芸人迷子』の発売を控えるユウキロックは、今年の「M-1」をどう読んでいるのか?
①アキナ
「キングオブコント」で決勝進出した実績のあるコンビだが、「M-1」決勝は初である。ボケ担当山名君とツッコミ担当秋山君の正統派コンビ。漫才コントに関する山名君の演技力は素晴らしい。そして、しっかりと聞き取りやすい秋山君のツッコミ。技術力に関してはピカイチのコンビではないか。ただ今回はネタ順がトップ。この順番で最終3組に残るためには、5番目の「スリムクラブ」までは、確実に印象を残して逃げ切りたい。漫才の手法はスタンダードな「アキナ」はもう少しテンポをあげてボケ数を増やし、尚且つインパクトのあるワードを観客と審査員の脳にこびりつかせておきたいところだろう。完全に温まっていない観客に対してスロースタートは危険。らしくないだろうが、トップギアで挑んでもらいたい。個人的には俺と同じ「目が離れている」秋山君にはぜひ頑張ってもらいたい。
②カミナリ
こちらも決勝初進出。ボケの竹内君とツッコミの石田君による茨城県出身の幼馴染コンビ。今回の決勝メンバーの中で1番知名度が低いコンビであり、漫才の手法も異質である。だからこそファーストインパクトは凄まじいだろうと想像する。石田君の「激しさ」と竹内君の「顔」に度肝を抜かれることは間違いない。ただ構造上、漫才開始1分弱は「ネタ振り」に時間を要するため、その回収作業で、爆発しなければ命取りとなる。ボケ数が稼げない分、1発の破壊力にすべてをかけるしかない。異質な漫才ならば数多くのコンビと比較してもらい高得点をあげたいところだが、出番順は2番ということで、その時点の比較コンビが「アキナ」しかいないのが残念である。会場の空気を作るタイプの漫才でもないので、「アキナ」が大ウケして観客を温めて、そして、自らも大ウケして「アキナ」を点数で上回る。これこそが「カミナリ」の最終決戦進出へのプランとなるだろう。
1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子』
⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)
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『芸人迷子』 島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。 |
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