雑学

「串カツ田中」躍進の秘密はトランプ戦略だった!?【コラムニスト木村和久】



1.隠れ串カツファンを探す

 トランプ氏の勝因は、隠れトランプファンがいたから。串カツも、大阪伝統の庶民の味だから、大阪で出せばいい。いえ違うんです。隠れ串カツファンがいるのはどこだ?

 あえて東京の高級住宅街、商業地を選んだのです。世田谷が1号店、そして六本木、恵比寿、中目黒、三軒茶屋に展開。しかも、渋谷と新宿は3件づつ。これが当たったのです。

 普段見栄を張って「トラットリア」とか「キュイジーヌ」とか舌噛みそうなこと言ってるやつらの目の前に、串カツを出したら、大人気。「旨いし安い、最高だよ~」と老若男女に大ウケしたのです。今まで頑張ってこじゃれたイタリアンを食べてた連中は、なんぼホッとしたことやら。今後は隠れずに、堂々と串カツ田中ファンを名乗れるわ~、これもトランプさんのおかげですわ。

2.ラストベルト感がたまらな過ぎ

 トランプ氏の勝因は、五大湖周辺のラストベルト(錆びた工業地帯)から、熱い支持があったから。串カツ田中もラストベルト感は半端ないですよ。まずは店のロゴは、白のカーテン地に黒文字ですから、手作り感がたっぷり。店内には赤や黄色の提灯が、チープ&ラスト感もふんだんに。従業員は「鶴橋」って書いた前掛けを汚して、使ってましたから。わざと庶民感を出しつつ、ガラスを多めにして中の様子がわかる仕組みにしています。「怖くないよ~、家族連れでもどうぞ」と、入りやすくしている。実際、小学生の子供が多く、ファミレス化しています。実によく考えてますな。

3.保護政策でTPPに反対

 串カツ田中はTPPをどう思っているかは知りませんが、トランプ氏の考えている自国の利益追求の考えを串カツ田中も実践しています。なんと串カツ田中は、クレジットカードが使用できない。そもそもクレジットカードで支払うと、3~6%程度の手数料が発生する。しかし通常の飲食店は、現金でもカードでも支払額は一緒。つまり、カード払いは店側が手数料分だけ損をするのだ。これはバカらしいと辞めたのです。客からは不便だと言われないのか? 実はカード支払いをなくした代わりに、お客様に安く提供することにしたそうだ。なんと客単価2400円ですから、これで腹一杯食って、たらふく飲める。サイコロでのチンチロリンをして、当たりの目が出ると、信じられない価格でお酒を提供するし、お客目線でいいことやりまくりだ。実際、山盛り頼んで飲んで、デザートを入れて、ひとり3000円でした。客単価2400円は、あながち嘘ではない。

4.自国製品は自国で作りたい

 トランプ氏が大統領となったら、俄然自国ブランドを自国で作りたい運動が盛んになってます。iPhoneのような製品は、中国製造をやめて、全部国産品したいようですが、現実は難しいようです。そういう自前で製造することを、いち早く実施したのが串カツ田中です。例えば、ポテトサラダを頼むと、スリバチに芋とゆで卵とマヨネーズと香辛料が入ったものが出てきて、自分ですりこぎを回す仕組みに。え~ポテトサラダを作ってくれないの? いえいえ、自分で作るからこそ、好きな粒加減を調整できるってもんです。店側も調理の手間が省けて、一石二鳥。この逆転の発想にはびっくりです。同様におにぎりセットも自分で、具を混ぜる方式でした。

木村和久

木村和久

 というわけで、串カツ田中は、日本を救い、案外アメリカ進出しても受けそうな気がします。トランプ氏が日本に来たら、ぜひ寄って欲しいものです。

■木村和久(きむらかずひさ)■
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦

トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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