全米755万世帯が“TV観戦”した夜――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第290回(1998年編)
番組視聴率の“高騰現象”はその前週からすでに兆候が表れていた。4.6“ロウ”(3.31シラキュース大会の録画)の平均視聴率は4.43パーセント(1時間めが4.38パーセント、2時間めが4.48パーセント)で、4.6“ナイトロ”マイアミ大会の平均視聴率は4.61パーセント(1時間めが4.7パーセント、2時間めが4.53パーセント、3時間めが4.6パーセント)。この週は、“赤nWo”スティングとナッシュがリング上でニラミ合いを演じたファイナル・クォーターが瞬間視聴率を4.3パーセントから5.8パーセントに急上昇させた。
1996年6月以来、じつに83週間ぶりに番組視聴率を“ロウ”に追い抜かされたWCWは、翌週4.20“ナイトロ”コロラドスプリングス大会にオールスターキャストを惜しみなく投入する物量作戦に出た。
メインイベントにラインナップされた“マッチョマン”ランディ・サベージ対ホーガンのWCW世界ヘビー級選手権にはエリック・ビショフWCW副社長、ナッシュ、ブレット・ハート、ロディ・パイパーらが乱入。大乱戦モードのなかでホーガンがサベージからフォール勝ちを収めWCW世界王座奪回に成功した。
この試合をオンエアしたクォーターアワーの瞬間視聴率は6.53パーセント(477万4000世帯)で、前週4.13“ロウ”でビンス対ストーンコールドの初対決がスコアした6.0パーセントという数字を打ち破った。
いっぽう、4.20“ロウ”(4.14ナッソー・コロシアム大会の録画)の平均視聴率は4.4パーセントで、前週のそれよりも0.23パーセント後退。番組オープニングにレイアウトされていたビンスとドゥード・ラブ(ミック・フォーリー)のトークショー・セグメントの瞬間視聴率は3.7パーセントだった。
これに対し、同時間帯に“ナイトロ”がぶつけたホーガン、サベージ、ナッシュらによるインタビュー・シーンとゴールドバーグ対レイヴェンのTVマッチは5.7パーセントの瞬間視聴率をマークした。
アメリカじゅうのプロレスファンは、リコモンを片手にふたつのチャンネルを行ったり来たりしながら、両番組を同時に視聴していたのだった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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